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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 948 - 特別編:愛の続き 1(続き)

Chapter 948

特別編:愛の続き 1(続き)

九条凛はすぐに「まったく、二人とも…今すぐ辞書探してくるから、そこから選んでね。うちの甥っ子には絶対いい名前をつけてあげなきゃ」と言った。

そう言うと九条凛は走って出ていき、半日もしないうちに大量の本——辞書や四書五経まで、名付けに使えそうな本を山ほど抱えて戻ってきた。

高橋美咲は大きなお腹を抱えながら、みんなが集まって子どもの名前を考えてくれる様子を眺めていた。

「これはどう?」

「いや、もっとたくさん考えないと、あとで選択肢が足りなくなるよ」

九条凛は自分の子ども以上に熱心に高橋美咲の子の名前を考え始め、高橋美咲はただ最終決定をするだけだった。

みんなが自分の子どもの名前を一生懸命考えてくれているのを見て、高橋美咲の口元には自然と微笑みが浮かんだ。まだ生まれてもいないのに、こんなに大切にされているこの子は、きっと将来もみんなに愛される子になるだろうと感じた。

最終的に九条凛は紙いっぱいに名前を書き連ねた。男の子用と女の子用で二列に分けてあり、高橋美咲が一覧を見てみると、意外にもどれも響きがよく、どれにしようか迷ってしまった。

彼女は眉をひそめて「こんなにたくさんあると、選ぶのが難しいな。この名前もいいし、こっちも素敵だし…」とつぶやいた。

高橋美咲がまだ決められずにいるのを見て、九条凛はにっこり笑って「美咲、決められないなら簡単じゃない?うちの甥っ子に自分で選んでもらえばいいんだよ!」と言った。

高橋美咲は困ったように首を振った。赤ちゃんは生まれたばかりでお世話が必要なのに、どうやって自分で選ぶの?

九条凛は高橋美咲の考えを察したのか、また笑顔を見せた。「美咲、見てて!」

そう言うと、彼女は高橋美咲のお腹に手を当てて、にこやかに言った。「今、お父さんとお母さんがあなたの名前を決めてるよ。これから名前を読み上げるから、気に入ったらママのお腹を一回蹴ってね」

高橋美咲は、まさかこんな方法があるなんて思いもよらず、ただ九条凛に任せるしかなかった。

すぐに九条凛はリストを手に取り、読み上げ始めた。「じゃあいくよ——九条琉生、九条悠真…瑠衣…あれ?」

九条凛が「瑠衣」と読んだ瞬間、高橋美咲のお腹がポンと一度蹴られた。九条凛は目を見開いて驚き、「動いた!うちの甥っ子、これから瑠衣って呼ばれるんだね!」と叫んだ。

高橋美咲の額に冷や汗が数滴にじんだ。なんてとんでもない名前なの……?

さっきまで、あんなにたくさんの名前の中に、まさかあんな奇妙なのが混じっていたなんて気づきもしなかった。もしあの名前が世間に出たら、絶対に笑いものになるに決まってる。

高橋美咲は九条凛に鋭い視線を送り、ぷいっとそっぽを向いた。「凛、ちょっと適当すぎるんじゃない?」

九条凛は困ったように肩をすくめ、にこやかに言った。「美咲、私が選んだわけじゃないよ?さっきあんなにたくさん名前を挙げたのに、甥っ子が反応したのはこれだけだったんだから、本人もこの名前が気に入ってるって証拠でしょ?」

高橋美咲は、九条凛の言い分なんて信じられなかった。本当に自分の子どもにルルなんて名前をつけるつもり?

彼女は九条蓮の方を見て「あなた」と声をかけた。

ちょうど九条蓮が口を開こうとしたその時、高橋美咲は突然お腹に激痛を感じた。顔を歪めてお腹を押さえ、「あ……お腹がすごく痛い。産まれそう……」と苦しそうに言った。

その様子を見て、九条蓮と九条凛は一気に慌てふためいた。

すでに病院で出産を待っていて、万全の準備をしていたはずなのに、いざその時が来ると、やはりどうしていいかわからず戸惑ってしまう。結局、最初に落ち着きを取り戻したのは九条蓮だった。「凛、すぐに助産師さんたちを呼んで、担当医にも連絡して」と指示を出した。