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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 946 - 幸福の終着点(最終章)

Chapter 946

幸福の終着点(最終章)

高橋美咲は正式に九条家の一員となり、皆もそう呼んでいた。この新しい呼び名に、彼女は自然と口元をほころばせた。

「それでは、まもなく挙式が始まります。皆さま、お席にお戻りください。新郎新婦もご準備を。」

その声に従い、皆が席に戻り、会場の照明が落とされた。ロマンチックで厳かな音楽が流れ始め、見守る人々の中、高橋美咲と九条蓮は一歩一歩、ステージへと歩みを進めた。

「ロマンチックすぎて、泣いちゃいそう。」九条凛は高橋美咲の隣で、何度も涙を拭っていた。

最初は無理やりお膳立てした仲だったが、ここまで来るのは夢のようだった。それでも高橋美咲と兄の九条蓮は、人生最大の出来事を成し遂げたのだ。

高橋美咲が九条蓮のもとへ歩み寄り、九条凛がもう付き添う必要がなくなったとき、神谷海斗が九条凛のそばにやってきた。彼もそっと九条凛の肩に手を置き、口元に微かな笑みを浮かべて言った。「僕たちも、きっとこんなふうに幸せになれるよ。」

九条凛は驚いて彼を見上げた。二人は契約結婚のはずなのに、そんなに幸せになる必要があるのだろうか。

もし神谷海斗がいつか好きな女性を見つけたら、自分は身を引くべきだと思っていた。

そう考えた瞬間、九条凛の胸がぎゅっと締め付けられるように痛んだ。本当は神谷海斗を手放したくない、彼が他の女性と結婚するのを見たくない――そんな思いが心に浮かび、はっとした。

まずい、どうしてこんなことを考えてしまうんだろう。もしかして、神谷海斗のことを好きになってしまったのか。

でも彼はずっと兄のような存在だった。神谷海斗も、九条蓮も。

式は最も大事な場面を迎えた。司祭が高橋美咲と九条蓮の前に立ち、微笑みながら静かに尋ねた。「九条蓮さん、あなたは高橋美咲さんを妻とし、貧しさや病、苦難のときも、誠実に愛し、決して見捨てず、共に歩むことを誓いますか?」

九条蓮は一切迷わず答えた。「誓います。」

司祭は高橋美咲を見つめた。「高橋美咲さん、あなたは九条蓮さんを正式な夫とし、これからの人生を共に歩みますか?今日から彼を愛し、敬い、慰め、支え、他の誰にも心を移さず、誠実に添い遂げることを誓いますか?」

「誓います!」

高橋美咲は九条蓮を見つめ、幸せそうに微笑んだ。事故で3年間眠り続けていた間も、九条蓮はずっとそばにいて、他の女性の影はなかった。

二人はすでに「決して見捨てない」という誓いを果たしてきた。これからもきっと、共に年を重ね、ずっと寄り添って生きていくのだろう。

(完)

その夜、すべての客を見送った後、九条蓮は部屋に戻ってきた。

客たちは皆、船に乗って順番に島を離れていった。残ったのは使用人と高橋美咲、九条蓮だけ。これから1ヶ月間、島で新婚旅行を過ごすのだ。

高橋美咲はすでにシャワーを浴び、赤い服に着替えてベッドで九条蓮を待っていた。

今日は結婚初夜。いくら「長年連れ添った夫婦」でも、今こうして結婚したことで、まるで出会ったばかりのような新鮮な気持ちになり、心まで若返ったようだった。

突然、部屋のドアが開き、九条蓮が強い酒の匂いを漂わせて入ってきた。高橋美咲はすぐに立ち上がり、彼のもとへ歩み寄った。

「九条蓮、おかえりなさい。体調は大丈夫?さっき使用人に頼んで、酔い覚ましのお茶を用意してもらったの。先にシャワーを浴びてきて。あとでお茶を飲めば、きっと楽になるわ。」

高橋美咲がいかにも良妻賢母らしく振る舞うのを見て、九条蓮の口元に微かな笑みが浮かんだ。彼は優しく言った。「うん、今すぐシャワーを浴びてくる。君をあまり待たせたくないから。」

九条蓮の言葉に、高橋美咲の頬がほんのり赤く染まった。