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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 917 - 私たちに誠実だった?(続き)(続き)

Chapter 917

私たちに誠実だった?(続き)(続き)

森川茉莉はため息をつき、優しく励ました。「安城さん、あなたは本当に才能がある人よ。彼女はそれを分かってなかっただけ。きっといつか大きく羽ばたく日が来る。その時には、彼女も絶対に後悔するわよ。今の自分を振り返ったら、きっと笑い話になるから。」

安城は困惑した表情で森川茉莉を見つめた。彼女の言葉通りに考えてみると、なんだか大したことじゃないような気がしてきた。

もしかしたら、自分で自分を追い込んでいただけかもしれない。

森川茉莉が来た時のような沈んだ顔ではなく、明らかに元気を取り戻した安城を見て、

彼女は驚いたように尋ねた。「安城さん、もう吹っ切れたの?」

安城は森川茉莉に微笑みかけた。「ああ、もう大丈夫。明日は会社に戻るよ。新商品、絶対に発表する!」

「よかった!」森川茉莉は感激のあまり、思わず涙ぐみながら目元をぬぐい、「誠実な人には必ず報いがあるって本当ね。わざわざ来て説得した甲斐があったわ。明日の新商品発表、絶対うまくいく!」と声を詰まらせた。

……

安城がいなくなったことで満展の仕事はすべて止まってしまい、高橋美咲は思い切って数日間の休暇を取ることにした。

九条蓮の方はひとまず一段落し、少し余裕ができていた。今日は珍しく二人とも家にいる時間が重なったので、高橋美咲が「買い物に行って自炊しよう」と提案し、九条蓮ももちろん快諾した。

二人で車に乗って市場へ向かった。高橋美咲が魚を選んでいると、近くで同じく魚を選んでいる若い女性二人が高橋ジュエリーについて話しているのが耳に入った。

「最近、高橋ジュエリーが出したジュエリー見た?めっちゃ可愛いよね。」

「見た見た。でもちょっと高い気がする。でもあまりに綺麗で、つい欲しくなっちゃう。」

「でもさ、満真は最近新作出してないよね。前に出したやつもすごく普通だったし。」

「この新しいブランド、もうすぐ潰れそうじゃない?ジュエリーも価値が下がるかもね。」

二人はそんな話をしながら、遠ざかっていった。

高橋美咲はその場に立ち尽くし、心の中でそっとため息をついた。安城朝陽はいつになったら立ち直るのだろう、と考える。

今は高橋彩花が勢いに乗っていて、満真は動きを見せていないものの、ネット上では高橋彩花が多くのサクラを雇って満真を中傷している。

満真が新作を出し続けられなければ、ずっと抑え込まれるだけだ。このままでは本当に満真に影響が出てしまう。

さっきまで九条蓮も隣にいて、二人の会話を聞いていた。彼は高橋美咲の深く眉をひそめた表情に気づいた。

九条蓮はそっと「何か困ってることがある?手伝おうか?」と声をかけた。

だが高橋美咲は首を横に振った。

「大丈夫。実はそんなに大きな問題じゃないし、自分で何とかできるよ。」そう言ってから、彼女は九条蓮の腕に自分の腕を絡めて微笑んだ。「全部あなたに頼ってばかりじゃダメだもん。自立しなきゃ。」

九条蓮はその言葉に微笑んだ。「もし本当にどうしようもなくなったら、俺が出るから。覚えておいて、いつでも君の味方だよ。」

高橋美咲の胸にじんわりと温かいものが広がった。

九条蓮が本当に伝えたかったのは、「君の後ろには俺がいる」ということだった。

この人は本当に気が利きすぎて、どう褒めていいかわからないくらいだ。

そう思った高橋美咲は、つま先立ちになって九条蓮の頬にキスをした。そしてにっこり笑って「頑張ってくれてるから、今日は私が奢るね。好きなもの食べていいよ」と言った。

高橋美咲の言葉に、九条蓮の目が一瞬だけ色を帯びる。彼は彼女の耳元に顔を寄せて、低い声で「好きなもの、何でも?」と囁いた。