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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 894 - 眠いときに枕を差し出される(続き)(続き)

Chapter 894

眠いときに枕を差し出される(続き)(続き)

過去のデザインは確かに素晴らしかったが、作り直せないわけではない。

本当に大切なのは自分のデザイン力であり、過去の作品がどれほど良くても、すでに他人の手に渡ってしまった。これからも新しい作品を生み出せる。

高橋美咲の条件は、安城朝陽にとって条件とも呼べないほど当然のことだった。断る理由などなかった。

安城朝陽は力強くうなずき、「承知しました」と答えた。

自身もデザイナーである高橋美咲は、デザイナーが何を一番大切にするかをよく知っていたし、安城朝陽が再起できるよう手を差し伸べるつもりだった。

彼女は安城朝陽に「それじゃあ、次は給料の話をしましょう」と言った。

……

その頃、高橋彩花はすでにショッピングモールに向かい、高橋花と落ち合っていた。

「彩花、今日九条悠真が女性と食事してるの。さっき盗み聞きしたら、お見合いみたいだったよ。このままじゃ他の女に取られちゃうよ?今回は何も手に入れてないけど、本当に諦めるつもり?」

高橋彩花は歯を食いしばり、目に憎しみを浮かべた。あの日高橋美咲さえ現れなければ、こんな大失敗をするはずがなかったのに。

今、九条悠真は高橋彩花に対して極度に嫌悪感を抱いており、電話に出ても明らかに苛立った声で、ほんの二言三言だけ話してすぐに切ってしまった。

母の言う通りだった。今このチャンスを逃せば、本当に九条悠真という強力な後ろ盾を失ってしまうかもしれない。

高橋彩花はレストランの入口に立ち、九条悠真が女性と向かい合って座っているのを見つけた。

その女性は上質なドレスを身にまとい、髪はなめらかに背中へ流れていて、全体的に気品と魅力を兼ね備えていた。

身につけているものからしても、家柄も並大抵ではなさそうだ。

くそっ!

高橋彩花はこっそり拳を握りしめ、歯を食いしばった。九条悠真は自分を振り切って、別の女と関わり始めた。本気で自分と別れるつもりなのか?

何よりも腹立たしいのは、それまで自分が必死に九条悠真に尽くし、何度も身体を重ねて彼を満足させてきたのに、彼はあっさりとその関係を否定したことだった。

自分は九条悠真の彼女ですらなかった!

あの日、九条悠真が高橋美咲を追いかけ、しかも高橋美咲の前で自分の立場を否定したことを思い出すと、抑えきれない怒りがこみ上げてきた。

「彩花、さっき調べてきたけど、あの女は柏木社長の娘よ。柏木社長は大阪で不動産だけじゃなく、銀行やホテルなど色々な事業をやっているの。私たちじゃ太刀打ちできないわ。」

高橋彩花の目に暗い光が宿り、「お母さん、このまま引き下がるの?私は絶対に嫌!」と歯ぎしりしながら言った。

高橋花は冷たい笑みを浮かべて、「もちろんこのまま終わらせるつもりはないわよ。柏木社長には娘が一人しかいなくて、とても大事にしているらしいわ。最近、柏木社長は婿を迎えたいって話も聞いたの。」

「えっ?」高橋彩花は少し動揺した。今まさに九条悠真がその女性とお見合い中ということは、九条悠真が柏木家の婿になるってこと?

「まだ慌てることはないわ。さっき見ていたけど、柏木お嬢様は九条悠真にあまり興味がなさそうだった。きっと彼のことを見下しているのよ。でも、そこを利用できるわ。」

高橋彩花は高橋花を不思議そうに見つめ、「お母さん、どうやって利用するの?」と尋ねた。

「最近、九条悠真がまた高橋美咲のことを気にし始めてるって言ってたわよね?」高橋花は冷たい笑みを浮かべた。

「私は九条蓮もなかなかイケメンだと思うの。九条悠真に、柏木お嬢様と九条蓮をくっつけるように仕向けてみなさい。そうすれば九条悠真はあなたと会い続ける気になるはず。その隙に彼を喜ばせて、また元の関係に戻ればいいのよ。」