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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 887 - 恥知らずと脳天気(続き)

Chapter 887

恥知らずと脳天気(続き)

その言葉に、高橋美咲は思わず吹き出しそうになった。

彼女は九条悠真を見つめ、「そんなにいい話なら、高橋彩花にあげれば?君たち、付き合ってるんじゃないの?」と返した。

まさか九条悠真と高橋彩花が関わるとは思ってもみなかった。

でも、よく考えれば当然かもしれない。九条悠真の立場も変わったし、高橋彩花も最近は自分に負け続き。似た者同士、すぐに意気投合したのだろう。

九条悠真の整った顔がこわばり、「付き合ってなんかいないよ。今は九条ホールディングスのトップだし、女の子なんていくらでも寄ってくる。今日のショーに来てくれって頼んできたのも彼女の方だ。美咲、誤解しないで。僕たちの間には何もない。前に桜井奈緒と別れてから、他の女性とは誰とも付き合っていない。ずっと君を待っていたんだ。」

その表情は真剣そのもので、まるで一途な男のように見えた。

だが、高橋美咲は思わず笑ってしまった。

九条悠真は本当に図々しい。高橋彩花と何度も関係を持っているくせに、平然と「何もない」と言い切れるのだから。

どうして昔、自分がこんな男に惚れて、長い間付き合っていたのか分からない。

でも、今は自分の幸せを見つけた。九条蓮は本当に素晴らしい人だ。たとえ今の彼が昔のような地位でなくても、決して見下したりしない。彼と一緒に、また一歩ずつ頂点を目指して歩いていきたいと思っている。

高橋美咲が口を開く前に、甲高い声が響いた。「悠真!」

振り返ると、高橋彩花が慌てて駆け寄ってきた。彼女は九条悠真の腕を掴み、悲しそうに言った。「今、何て言ったの?私たち、付き合ってないって?でも、もう恋人同士なのに!」

この期間、高橋美咲は九条悠真の持つリソースのために、あらゆる手を尽くして彼に取り入ろうとしてきた。それなのに、今になってこんなことを言われるなんて!

高橋彩花は追い出された直後もその場を離れず、九条悠真を待っていた。まさか彼の口からあんな言葉を聞くことになるとは思ってもみなかった。怒りで爆発しそうだった。

しかも九条悠真は高橋美咲のことまで追いかけている!

それがますます高橋美咲を引き裂きたい気持ちにさせた。高橋美咲は恥知らずにも自分の男を奪ったのだ!

九条悠真は高橋彩花がここにいるとは思っていなかった。目に一瞬、苛立ちがよぎり、彼女と関わったことを後悔し始めていた。

高橋彩花は泣き出し、すすり泣きながら言った。「悠真、私たちのこと、もう忘れたの?昨日の夜だって、ベッドで私のこと本当に好きだって言ってくれたじゃない。どうしてこんな仕打ちをするの?」

高橋美咲は高橋彩花の言葉を聞き、少し眉を上げた。

つまり、この二人はすでに関係を持っていたということか。それでいて、何もないふりをしていたなんて、自分をバカにしているとしか思えない。

彼女は冷たく笑った。「九条悠真、あなたは何が交際で何が違うのか、よく分かっていないみたいね。ちゃんと整理してから出直してきたら?」

その時、高橋美咲の前に車がゆっくりと停まった。九条蓮が迎えに来たのだ。

九条蓮の姿を見た高橋美咲は、目元に笑みを浮かべて歩み寄り、車のドアを開けて乗り込んだ。だが出発する前にもう一度九条悠真を見て、「実は、あなたたち二人、すごくお似合いだと思うわ」と言った。

一人は恥知らず、もう一人は脳天気。まさにお似合いのカップルだ!

車は静かに走り出した。九条蓮は高橋美咲を見て、「あの恥知らずがまた絡んできたのか?」と尋ねた。

さっき九条蓮は九条悠真が高橋美咲にしつこくしているのを見ても、すぐには車から降りなかった。九条悠真のことなど全く相手にしていなかったし、高橋美咲が彼とくっつくはずがないという自信もあった。