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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 886 - 恥知らずと脳天気

Chapter 886

恥知らずと脳天気

完璧なショーが幕を閉じた。

高橋美咲のジュエリーは多くの人々の注目を集めることに成功した。すでに何人かがブランドについて問い合わせ始めており、高橋美咲の今回のプレゼンテーションは間違いなく大成功だった。

彼女のデザインがとても新鮮で独創的だと感じた人も多く、全ての仕事を終えた高橋美咲は、会場を出る間もなくインタビューや写真撮影に引っ張りだこになった。

九条悠真は高橋美咲と話す機会をずっと狙っていた。彼は彼女を探してバックステージへ向かったが、高橋美咲は非常に忙しそうだった。

遠くから、記者たちに囲まれて輝く高橋美咲の姿を見つめていると、九条悠真の胸に奇妙な衝動が湧き上がった。どうしても高橋美咲が欲しい——そんな思いだった。

やはり自分が一番好きなのは高橋美咲だと九条悠真は気づいた。高橋彩花は所詮、代わりに過ぎない。高橋美咲に比べれば、到底及ばない。

今の自分の立場は昔とは違う。自分の隣に立つ女性は、誰よりも優れていて、自分にふさわしい存在でなければならない。

だから、高橋美咲に時間ができるまで待とう。

九条悠真の瞳に決意の光が宿った。

いくつかのメディアのインタビューを受け終え、ようやく緊張と忙しさから解放された高橋美咲。そのとき、携帯が鳴った。画面を見ると、九条蓮からの電話だった。

彼女はスワイプして応答した。「もしもし、こっちはもう終わったよ。」

九条蓮は今日は大事な会議があり、会場には来られなかった。それでも高橋美咲は気にしていなかった。今の二人の生活がとても気に入っていた。お互いに努力し、一から築き上げていく日々。

こうした日々が、二人で未来の幸せを掴むために頑張っているという確かな実感を与えてくれる。

ただ、九条蓮は終わったら迎えに行くと言っていた。

電話の向こうから九条蓮の低い声が聞こえた。「わかった。もうすぐ会場の入口に着く。今出てきて。」

高橋美咲は荷物をまとめ、森川茉莉に後片付けの指示をしてから会場の出口へ向かった。ちょうど出口に差し掛かったとき、誰かに呼び止められた。

目の前に九条悠真が現れると、彼女の眉がきゅっとひそめられた。

その目には明らかな苛立ちが浮かぶ。「九条悠真、何の用?」

なぜこの元カレは幽霊のようにしつこく付きまとってくるのか、高橋美咲には理解できなかった。もう彼に会いたいとも思わないし、今のように高橋彩花と一緒にいるなら、それで十分だと思っていた。

九条悠真の視線は高橋美咲の繊細な顔に注がれていた。しばらくぶりに会ったせいか、以前よりもさらに美しくなったように感じた。

今日の彼女は本当に眩しく、心を奪われるほどだった。その姿が強く印象に残った。

高橋彩花と比べたからかもしれないが、今この瞬間、高橋美咲の存在は自分の中で頂点に達していた。

九条悠真は熱い眼差しで高橋美咲を見つめ、情熱的に言った。「美咲、君と一緒にやりたい仕事があるんだ。」

高橋美咲に近づくには、焦ってはいけないと九条悠真は分かっていた。じっくりと時間をかけて、彼女に警戒されないようにしなければならない。そのためには、まず仕事を通じて接点を持つのが一番だ。

いずれはきっと高橋美咲とやり直せる。そう思うと、九条悠真の笑みはさらに深まった。

高橋美咲は思わず呆れたように目をそらした。九条悠真の自信満々なポーズを見て、腕を組み、冷ややかに笑いながら尋ねた。「それで、どんな仕事の話なの?」

今度は一体何を企んでいるのか、聞いてみたかった。

九条悠真は高橋美咲が強く拒絶しないで、逆に仕事の話を聞いてきたことで、彼女が乗り気なのだと勘違いし、すぐに言った。「最近、君はブランドを立ち上げるのに苦労しているだろう。まだ良いプロモーション会社も決まっていないはず。僕が手伝って、ブランドの知名度を上げてあげられる。」