Midnight FableMidnight Fable

裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 878 - 高橋彩花と九条悠真は一緒にいる

Chapter 878

高橋彩花と九条悠真は一緒にいる

父娘の表情が同時に固まる。高橋美咲は本能的に顔を背け、見なかったふりをして無視した。

それを見た高橋正人は、その場で怒りをあらわにした。

「待て!」

「俺はお前の父親だぞ。父親を見てその態度はなんだ!」

もともと高橋正人はこの娘に対して多少の後ろめたさも感じていたが、高橋美咲の態度は相変わらずで、やはり腹が立った。

一度口を開いた以上、高橋正人はそのまま自分から歩み寄ってきた。

「さっき会場の入口で、お前と彩花がほぼ同時に到着するのを見た。彩花がどこに行ったか知らないか?」

高橋美咲はそれを聞いて思わず笑いそうになった。「高橋彩花がどこに行ったかなんて、私が知るわけないでしょ?」

だが、そう言えば言うほど、高橋正人は彼女が何か知っていると確信した。

「お前は彩花が気に入らないのは分かるが、あいつはお前の実の妹なんだぞ。」

「もし何かあったり、危険な目に遭ったら、少しは罪悪感を感じないのか?」

高橋美咲と高橋正人の関係は以前より多少は和らいで、一時は穏やかに過ごしていたが、こんな短期間でまた不満を感じさせられるとは思わなかった。

彼女は一切遠慮せず、冷たく言い返した。「罪悪感?なんで私が感じなきゃいけないの?」

「まず、あの子はもう大人よ。自分の行動は自分の責任。危険な目に遭ったなら警察に連絡すればいい。私を探してどうするの?」

「それに、実の妹だからって何?同じ母親から生まれたわけでもないし、高橋彩花が私を本当の姉だと思ったことなんてある?」

パーティーの前、高橋彩花は彼女がデザインしたドレスを盗み、何かと嫌がらせをしてきた。警察に突き出さなかっただけでも十分寛大なのに、今さら高橋彩花に優しくしろと言うのか。

「お前!高橋美咲、父親に向かってその口の利き方はなんだ!」

高橋正人は怒りに任せて手を上げた。父親としての威厳を挑まれたうえ、九条蓮の前で恥をかかされたと感じていた。

高橋美咲は本能的に眉をひそめ、嫌悪の色を隠さなかった。

九条蓮が自分の女を目の前で侮辱されるのを許すはずがない。たとえ相手が実の父親でも、絶対に許さなかった。

高橋正人の手が振り下ろされそうになった瞬間、九条蓮がその手首を一瞬でつかみ、全く動けなくした。

「殴れるもんなら殴ってみろ。」

九条蓮は高橋正人の手を力強く振り払った。その時、エレベーターから高橋花が大勢を引き連れて降りてきて、この光景を目にした瞬間、怒りと焦りで駆け寄ってきた。

事情も聞かずに、高橋美咲の鼻先を指さして怒鳴り始めた。

「年長者も親も敬う気持ちがないの?父親に手を上げるなんて!」

「高橋美咲、会場中どこを探しても彩花が見つからない。あなたと九条悠真が一緒に彩花をどこかへ連れて行ったんじゃないの?」

九条悠真?

高橋彩花と九条悠真が一緒にいる?

「九条悠真?パーティーで彼なんて見かけなかったけど。」

「嘘つき!絶対あなたよ。九条悠真はもともとあなたの彼氏だった。彩花に取られて九条家の若奥様になられるのが嫌で、彩花を騙して連れて行ったんでしょ!」

「私の娘を返して、彩花を返して!」

高橋花は娘が見つからず、その場で完全に取り乱した。高橋美咲が今まで知らなかったことまで、高橋花自身が七割八割も口走ってしまった。

二人ともよく分かっていた――高橋彩花は何でも自分に勝ちたがる。まさか九条悠真にまで手を出したのか?

うわ、考えただけで気持ち悪い。誰でもよかったのに、九条悠真だけは高橋彩花の思い通りにはならない。

彼女の一人相撲だった。

「何を言ってるのか分からないけど、もう一度言うわ。二人とも見てないし、誰も騙してない。」