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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 871 - あなたにはあなたの戦場が、私には私の戦場がある(続き)

Chapter 871

あなたにはあなたの戦場が、私には私の戦場がある(続き)

この瞬間、高橋美咲は自分のドレスがなぜ今まで手元に届かなかったのか、すべてを理解した。高橋彩花が裏で手を回していたのだ。

高橋彩花は高橋美咲の顔、特に不機嫌そうな表情を見ると、ますます気分が良くなり、細いヒールで近づいてきた。

「あら、お姉さまじゃない。あなたもドレスを選びに?」

高橋彩花が近づくと、森川茉莉は彼女の着ているものを見て驚いた。

「社長、あれって……」

高橋美咲はすでに気づいており、手で森川茉莉を制した。

森川茉莉は怒りで顔を真っ赤にした。高橋彩花はあまりにも図々しい。人のオーダーメイドドレスを平気で着るなんて。

我慢できず、ドレスショップのスタッフに怒鳴った。

「マネージャーを呼んでください!うちの社長がオーダーしたドレスが、なぜ他人の手に渡ってるんですか!」

高橋彩花は森川茉莉の抗議など全く意に介さず、むしろ高橋美咲の前で得意げにくるりと一回転した。

「このドレス、どう?お姉さま。私にすごく似合ってると思わない?」

高橋美咲は冷たく笑った。

「昔から他人のものを盗む癖、全然治らないのね。」

その怒りの表情を見て、高橋彩花はますます満足そうだった。高橋美咲の皮肉など、何とも思っていない。

「治らないけど、だから何?あなたに何ができるの?」

ドレスがなければカクテルパーティーに行けない。なのに市場拡大を夢見るなんて、無理な話だ。高橋彩花は絶対にそのチャンスを与えるつもりはなかった。

高橋美咲の目は冷たく光った。高橋彩花がどうやって自分がカクテルパーティーに行くことやドレスのことを知ったのかは分からない。

だが、これで自分がパーティーに行けなくなると思っているなら、あまりにも甘い。

彼女は口を開き、冷笑を返した。

「そりゃそうよ。犬は糞を食べるのをやめられないもの。」

「そんなにそのドレスが気に入ったなら、あげるわ。」

高橋彩花は罵倒されて顔を真っ赤にし、怒りに任せて一歩踏み出し、手を振り上げて高橋美咲を叩こうとした。

「ここで私に手を出すつもりなら、丸の内プロスパーセンターのあなたの店、数分で閉店させてみせるわ。信じないなら、やってみなさい。」

「あなたが?冗談でしょ。丸の内プロスパーセンターがあなたの家のものだとでも思ってるの?」

「ああ、まだ九条蓮がいるんだったわね。でも彼はもう九条家の跡取りじゃないから、あなたの後ろ盾にはならないわよ。」

「今日このドレスは絶対に渡さないし、カクテルパーティーに出る資格もないわ!」

高橋美咲は高橋彩花をまるで狂人でも見るような目で見た。わざわざ手を出す気もなく、軽く脅して少し怖がらせるつもりだったのに、高橋彩花は本気でつけあがってきた。

高橋彩花が着ているドレスは、確かに高橋美咲が特別にデザインしたもので、メゾン・ヴェルヌ・ジュエリーの魅力がカクテルパーティーでより際立つように考えられていた。しかし、そのドレスがなければ出席できないというわけではない。

ブティックにはドレスが山ほどある。どれか一着選んで着ていけばいいだけだ。

大事なのは自分とジュエリーが会場に現れること。ドレスはあくまで引き立て役。あれば素敵だけど、なくても本質的には何も変わらない。

「自分がそんなに偉いとでも思ってるの?」

その時、森川茉莉がブティックの店長を連れてきた。店長は高橋美咲に呼ばれて責任を問われるのだと思い込んでいた。

そもそも、オーダーメイドのドレスを他の客に着せてしまったのは店側の落ち度だった。高橋お嬢様には逆らえないし、目の前のこの人には……

店長の目つきで高橋美咲はすぐに察した。彼を困らせるつもりはなかった。お互い働く者同士、無理に追い詰めても意味がない。