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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 857 - 店舗落札の成功(続き)(続き)

Chapter 857

店舗落札の成功(続き)(続き)

高橋彩花は口元に笑みを浮かべ、「うちの店舗のことは今は急ぎません。それより、ちょっと別件でお話があるんです」と言った。

担当者は驚いた表情を見せ、丁寧に「もちろんです。どのようなご用件でしょうか?」と尋ねた。

「さっき、A21の店舗はメゾン・ヴェルヌが落札しましたよね。ご存知の通り、メゾン・ヴェルヌは以前高橋グループのサブブランドで、今は独立していますよね?」

担当者は契約書を作成する際にブランド情報を確認していたので、多少は知っていた。

メゾン・ヴェルヌというジュエリーブランド自体は大阪で特に有名というわけではなかったが、高橋グループのことはよく知っていた。まさか両者にそんな関係があるとは思っていなかった。

担当者はうなずき、「はい、A21の店舗はメゾン・ヴェルヌが落札しました」と答えた。

高橋彩花の目が鋭く光り、単刀直入に「回りくどいことは言いません。A21の店舗が欲しいんです」と言った。

「えっ!」担当者は高橋彩花を見て、彼女の発言に深く驚いた。

「では、さっき落札したA1の店舗はもういらないということですか?」

高橋彩花は首を振り、唇に冷たい笑みを浮かべた。「もちろんA1も欲しいです。つまり、A1もA21も両方とも手に入れたいんです!」

高橋彩花が高橋美咲の目の前で好き勝手に振る舞うのを、黙って見ているつもりはなかった。何があっても、あのA21号店舗は高橋美咲から奪い取るつもりだった。

前回、東都キャピタルの件で大きな損失を被った高橋彩花は、その怒りをずっと胸に溜め込んでいた。

「ですが……」高橋彩花の立場を考慮して、マネージャーははっきり断ることはせず、誠実な口調で言った。「A21号店舗の契約はすでに締結・確定しております。現在はメゾン・ヴェルヌ様の所有となっておりますので、もしお譲りするとなると契約違反となり、多額の違約金を支払うことになります。」

「違約金なんて大したことないわ。私が払う。違約金も店舗の代金も、両方ともお支払いします。」

高橋彩花は一瞬間を置き、決意に満ちた表情で言った。「私が欲しいのはA21号店舗だけよ。」

「これは……」マネージャーは、まさかこんな申し出があるとは思っていなかった。

オークション価格はすでに普通の店舗よりはるかに高かった。契約締結後に他人の物件を横取りしようとする人など、ほとんどいない。高橋彩花が初めてだった。

「一度、上司に確認してきてください。違約金はすべて私が負担しますし、御社に損はさせません。」高橋彩花はさらに条件を上乗せし、にっこりと微笑んで言った。「それに、A21号店舗の家賃も1%上げてもいいわ。」

その話を聞いたマネージャーは、本当に損はないと感じた。

むしろ、知らず知らずのうちに得をしているようにさえ思えた。メゾン・ヴェルヌはかつて高橋グループの傘下だったが、今は離れており、有名ブランドでもなければ後ろ盾もない。相手を怒らせる心配もなかった。

マネージャーは高橋彩花に「かしこまりました。それでは少々お待ちください。上司に連絡いたします」と言った。

そう言って、マネージャーはその場を離れた。

高橋彩花はソファにゆったりと腰掛けていた。どうせ承諾されると確信していた。

結局、商売人は利益で動く。損がない上にお金が転がり込んでくる話を断る者などいない。

ほどなくして、マネージャーが戻ってきて「上司の承諾が得られました。すぐに契約書を作成いたします。メゾン・ヴェルヌ様へのご連絡はこちらでいたします」と伝えた。

高橋彩花の口元に得意げな笑みが浮かんだ。「わかったわ。」