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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 855 - 店舗区画の落札に成功

Chapter 855

店舗区画の落札に成功

ほどなくして、店舗区画の入札が始まった。

高橋美咲の予想通り、正面に面した一等地の店舗には多くの入札者が殺到したが、隅にある区画は立地の関係で競争がそれほど激しくなかった。それでも、予算に余裕のない人たちが何人も入札に参加していた。

何しろここは中心街で、一坪一坪が高値で取引される場所だ。そんな場所の一角でも、手に入れるのは簡単ではない。

高橋美咲が目をつけていた店舗は、完全な隅ではなかったため、やはり競争相手が多かった。次々と入札額が上がっていくのを見て、森川茉莉は思わず緊張してしまう。

もともとこういう場所を選べば、競争を避けられると思っていたのに、予想外にライバルが多い。果たしてこの先、うまくいくのか全く分からなかった。

高橋美咲は森川茉莉に安心するよう目で合図を送った。

その合図を受けて、森川茉莉はようやくほっと息をつく。高橋美咲があれほど自信ありげなら、きっと大丈夫だろうと思ったのだ。

少し離れた場所で、大庭理香が高橋彩花の耳元にそっと囁いた。「高橋部長、高橋美咲があっちで安い店舗の入札に参加してますよ。」

それを聞いた高橋彩花は、高橋美咲の方を見やった。

高橋美咲と森川茉莉が安価な区画に入っていくのを見て、彼女の目に嘲りの色が浮かぶ。

やっぱりね。高橋美咲は今やすっかり落ちぶれて、高橋グループを離れた後、どこにそんな資金があるのか。結局、ああいう場所しか狙えない。あの店舗はどれも隅っこばかりで、モールに来る人たちもまず目にしない。あんなところで店を開くなんて、潰れるのを待つようなものだ。

高橋彩花は冷静に視線を外し、高橋美咲のことなど全く意に介していなかった。

その頃、高橋美咲はオークションスタッフをじっと見つめていた。入札の流れは、まずスタッフが店舗の最低価格を提示し、参加ブランドがそれぞれ入札、最高額を提示した者が落札するというものだった。

誰もが全力で入札に臨み、会場の空気は張り詰めていた。

続いてスタッフが最低価格を掲示し、入札が始まった。

すぐに何人もの参加者が札を上げ、他の業者も次々と追随する。会場は熱気に包まれ、激しい競り合いとなった。数回の応酬の末、入札は徐々に終盤へ。価格がどんどん上がるにつれ、多くのブランドが割に合わないと判断し、次第に競争から降りていった。

高橋美咲は最初から一度も札を上げなかった。まだ競争相手が多いと分かっていたから、早く動いても意味がないと考えていたのだ。

残ったのは二つのブランドだけになったとき、高橋美咲の目に鋭い光が宿る。ついにチャンスが巡ってきた。

最後まで残った二社はどちらもなかなかの実力者だったが、一方が徐々に優勢となり、最後の入札を終えると、もう一方は顔色を曇らせて札を上げるのをやめた。明らかにこれ以上は無理だと判断したのだ。優勢になったブランドの担当者は、これで自分のものだと得意げな表情を浮かべていた。

ところが、スタッフが落札を宣言しようとしたその瞬間、誰かが突然新たな入札をした。

彼はすぐに、誰が自分の店舗を横取りしたのかと振り返る。

高橋美咲は落ち着き払って席に座り、全く動じた様子がない。スタッフに促され、そのブランド担当者はすぐに札を上げてさらに値をつり上げた。

数回の応酬の末、価格はすでに店舗の価値を大きく上回っていた。その担当者もついに弱気になり始める。

この立地でこの価格なら、後々集客が見込めなければ確実に赤字になる。

彼はもう一度高橋美咲を見やり、結局、店舗を取るのを諦めた。この女がどうやってこの店をやっていくのか見ものだ。どうせすぐに潰れるに決まっている。

最終的に、高橋美咲は圧倒的な優位でその隅の店舗を落札した。森川茉莉は高橋美咲に笑顔で言った。「社長、やりましたね!」