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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 836 - 九条蓮と高橋美咲の子供

Chapter 836

九条蓮と高橋美咲の子供

高橋美咲の気遣いに、九条家の大旦那様は以前ほど冷たくはなく、軽くうなずくだけだった。「うん、もうだいぶ良くなったよ。」

そんな九条家の大旦那様の様子を見て、九条家の大奥様は思わず横で小さく鼻を鳴らした。

さっきまで高橋美咲と蓮がいつ来るのかと何度も気にしていたくせに、いざ本人が来ると素っ気ない態度を取る。まったく、このお爺さんはまだまだ見栄っ張りだ。

ひとしきり挨拶を交わした後、九条家の大奥様は高橋美咲を連れて、九条家の大旦那様のために食べ物を取りに行き、九条蓮だけが病室に残った。

すぐに、病室には祖父と孫の二人だけになった。

「お祖父様、僕は新しく会社を立ち上げたいんです。」九条蓮は自分の考えを九条家の大旦那様に伝えた。

「なんだって?」九条家の大旦那様は自分の耳を疑った。

九条蓮は正気なのか?

九条ホールディングスのような巨大な会社をいらないと言い出し、何の理由もなく一からやり直すなんて、新しい会社を作るのがどれほど大変か分かっているのか。

「お祖父様、これはよく考えた上での決断です。九条ホールディングスの問題は、九条智久や悠真を排除すれば解決するというものじゃありません。もしそれだけで済むなら、お祖父様もこんなに心を痛めていないはずですし、九条家の身内同士が争うのも望んでいないでしょう?」

九条家の大旦那様は重いため息をついた。

表面上は何も言わなくても、心の中では本当に苦しんでいた。どちらも自分の血を分けた家族、九条蓮も九条智久も、皆大切な身内なのだ。

たとえ九条智久が九条ホールディングスを奪ったとしても、結局は自分の息子であることに変わりはない。

九条蓮を贔屓して九条ホールディングスを譲るのは間違いではない。

だが、息子の立場からすれば、その状況を見て自分のものにしようと考えるのも、全くの間違いとは言い切れない。

ただ……

「蓮、お前が今これをやったら、祖父が何十年もかけて築き上げた帝国を自ら埋葬することになるんだぞ?」九条家の大旦那様は苦しげに言った。

「お祖父様、九条智久が九条ホールディングスを握っている限り、すぐに会社が潰れることはないでしょう。だからその点も、僕のことも心配しないでください。」九条蓮はきっぱりとした表情で力強く言った。「僕はまだ若い。一からやり直しても、将来は今の九条ホールディングスよりも大きな会社にしてみせます!」

九条家の大旦那様は、目の前の孫をじっと見つめ、長い間黙っていた。

「自信はあるのか?」

「お祖父様、僕は確信がなければ何も始めません。これからの人生で証明してみせます。その時には、もっと壮大な景色をお見せします。」

九条家の大旦那様は、孫の凛々しく毅然とした顔を見て、信頼を抱かせるような力強さを感じた。

まるで未来の光景が、すでに目の前に広がっているかのようだった。

九条家の大旦那様は、長く息を吐いた。ふと、自分が年老いたことを実感した。

九条蓮の結婚に口を出し、将来のために有利な妻を望み、さらに九条ホールディングスを手放さず、最後まで蓮に任せる勇気が持てなかった——結局、最初から最後まで本当の意味で手放すことができなかったのだ。

もう、手放すことを学ぶべきなのだろう!

九条家の未来は、子や孫たちに託せばいい。自分はそろそろ引退し、余生を楽しみ、子や孫たちの成長を見守る時期なのだ。

高橋美咲のお腹に、いまだ何の兆候もないことを思い出し、九条家の大旦那様の表情はまた曇った。

それを見て、九条蓮が尋ねた。「お祖父様、どうかされましたか?まだ何か心配なことでも?何でもおっしゃってください。」