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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 835 - 彼の決断(続き)

Chapter 835

彼の決断(続き)

それに、九条家の大旦那様もまだ切り札を持っているはずだから、何も心配いらない。

今回の件は、実際には一部の株主が九条蓮を認めなかったせいだ。彼は九条家の若手の中で一番有能なのに。

九条ホールディングスは、すでに内部からほとんど蝕まれていた。

九条蓮は小さく笑った。「美咲は本当に賢いな。」

高橋美咲は見事に言い当てた!彼女は九条蓮を見上げて、そっとその顔に触れた。見れば見るほど、彼が素敵に思えてくる。

他の人は顔さえあれば天下を取れる。でも彼は、頭脳さえあれば天下を取れる!

高橋美咲は再び九条家の大旦那様のことを思い出した。「でも、やっぱり事前に九条のお祖父様には伝えておいた方がいいわ。そうじゃないと、悠真くんのことをあなたがうまく対処できるか心配されるかもしれないし。」

九条家の大旦那様は、本当に孫の九条蓮を溺愛していた。

最初から九条ホールディングスを九条蓮に譲ると決めていたが、すぐに任せなかったのは、蓮が将来グループを引き継いだ時にうまく適応できるか心配だったからで、事前に障害を取り除いてから渡したいと考えていたのだ。

まさか自分の身に何かあったことで、九条蓮が予定より早く会社を引き継ぐことになるとは思っていなかった。

九条ホールディングスの中には、まだ九条蓮を認めていない人間もいるだろう。

それに、九条芽衣が人を毒殺したこと以外にも、この事件の裏にはもう一つのバタフライ効果があり、それが今の九条蓮の苦境を招いていた。

とにかく、高橋美咲は九条蓮が何をしようと、無条件で彼を支えると決めていた。

もう二度と離婚届を渡されたくなかった。

こんなことでまた九条蓮と離れるなんて、絶対に嫌だった。ここまで色々なことを乗り越えてきた二人の絆は、こんな些細なことで壊れるものじゃない。

九条蓮も高橋美咲の心配をよく理解していた。彼は柔らかく微笑み、「うん、お祖父様が僕のことを心配してるのは分かってる。今回は会社を登記する時、他の人の名義を使うつもりなんだ」と言った。

実際、九条家の大旦那様にはきちんと伝える必要があった。なぜなら、彼が一番望んでいるのは九条蓮が九条ホールディングスを継ぐことだったし、今こうして別会社を立ち上げるのは決して小さなことではないからだ。

九条家の大旦那様が反対する可能性は高い。

「他の人の名義?」高橋美咲は驚いて彼を見つめ、「悠真くんに知られたくないの?」と尋ねた。

九条蓮はうなずいた。悠真は本質的な問題ではなく、本当に警戒すべきは九条智久だった。彼の方が悠真よりもはるかに権力を持っており、蓮の新しい事業は始まる前に潰されかねなかった。

高橋美咲もそのことに思い至り、九条蓮を見上げて「誰の名義を使うつもりなの?」と聞いた。

彼の口元がわずかに上がり、視線が高橋美咲の方へと流れる。わざとなのか、そうでないのか、その深い瞳の意味はとても分かりやすかった。

「灯台下暗し」という言葉がある。

これだけ長く一緒にいれば、彼が何を考えているか分からないはずがない。高橋美咲は少し眉をひそめ、ためらいがちに「もう心当たりがあるの?」と尋ねた。

本当は、九条蓮が使おうとしている名義が自分なのかどうかを聞きたかったのだ。

病院にて。

九条芽衣の一件で大きなショックを受けた九条家の大旦那様は、二日ほど落ち込んでいたが、九条家の大奥様が寄り添い、励まし続けたおかげで、今日はだいぶ元気を取り戻していた。

すでにベッドから起きて、歩けるまでに回復している。

高橋美咲も昨日の約束を果たし、九条蓮と一緒に病院を訪れた。

「九条のお祖父様、体調はいかがですか?」