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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 833 - 九条蓮の用意したサプライズ(続き)

Chapter 833

九条蓮の用意したサプライズ(続き)

高橋美咲が油断した隙をついて、九条蓮は一気に彼女を肩に担ぎ上げた。

「ちょっと!降ろして!」

「九条蓮!まだちゃんと説明してないでしょ。調査が終わったら、結局は裁判で対決することになるんじゃないの?」

彼は会社を追い出されたばかり。九条悠真の手下が四六時中見張っているはずだ。

何しろ九条蓮は最大の脅威。この一番危うい時期に、こんな大きな動きを見せれば、九条悠真が黙っているはずがない。もし何かあったら、自分はどうすればいいの?

「大丈夫。証拠は直接お祖父様に渡すつもりだし、今の九条悠真は絶好調で、俺の復帰を阻止することに全力を注いでる。だから身近な人間には警戒が薄いはずだ。」

男は彼女を抱き上げてくるくると回し、そっと唇を重ねてからソファに下ろした。

高橋美咲はその勢いのまま、彼の首に腕を回した。

「つまり、家や会社にいるスパイに調べさせるってこと?」

九条蓮は一時的に九条ホールディングスを追われたとはいえ、九条家の一員。長年勤めてきたから、まだ動かせる人脈が残っている。

しかも念のため、会社の外にも前から情報網を張り巡らせていた。

九条蓮は「そう、その通り。任せておけ。美咲もこの二日間は疲れただろうから、俺がしっかり癒してやる」と言った。

彼は優しく高橋美咲の鼻先を自分の鼻でこすり、

その仕草に彼女の耳が一瞬で赤くなるのを見て、口元がわずかにほころんだ。

「心配いらない。九条悠真はしばらく大人しくしてるはずだし、お祖父様や俺に手を出す余裕もない。今は九条ホールディングスを安定させるのに手一杯だろうから、当面は大丈夫だ。」

高橋美咲は小さく頷いた。「分かった……」

九条蓮は続けた。「お祖父様の食事は、信頼できる専門家に個別で任せてある。九条芽衣のことも、あとは法が裁く。美咲が心配することは何もない。」

ただ一つだけ——九条蓮の目が陰った。

彼は腕の中の彼女と目を合わせて、顔を近づけた。

しばらく会えなかった高橋美咲のことが本当に恋しかった。彼女が離婚を断固拒否したと知ったとき、すぐにでも抱きしめたかった。

九条蓮の唇が自然と高橋美咲の唇に近づき、そっとキスを奪おうとした。

ちょうどその時、熱くなりかけた空気を遮るように突然電話の着信音が鳴った。お祖父様からの電話だった。

九条蓮は高橋美咲に隠すことなく、無言でスピーカーに切り替えて電話に出た。

「蓮、明日会社に戻ってきなさい。」

電話の向こうからお祖父様の厳しい声が響いた。

九条蓮は眉を上げた。「お祖父様、俺はもう役職を解かれたはずですが……」

「解任だと?」九条家の大旦那様は冷ややかに笑い、力強く響く声で言った。「お前が社長にふさわしくないと言われただけだ。他の役職にふさわしくないとは誰も言っていないぞ。」

高橋美咲は横で聞いていて、思わず吹き出しそうになった。

九条家の大旦那様、まさか抜け道を突いてる?

九条蓮は軽くため息をついた。「お祖父様、美咲はやっと出てきたばかりで、まだちゃんと家に迎え入れてもいません。しばらく家で過ごしたいんです。」

九条蓮の意図は明白だった。今は会社に行きたくないということだ。

それに、ああいう足元を見てくる小者たちは、きっと陰で色々言うだろうし、もし九条悠真が自分にまだ復帰の可能性があると気づいたら、間違いなく徹底的に潰しにかかる。

まだ万全の準備ができていない今、敵に警戒されるわけにはいかない。

少なくとも、高橋美咲の安全を確保するのが先だ。

「お前は……はあ、もういい!お前が心配するなと言っても、やっぱり心配で仕方ないんだよ。よく考えたが、鉄は熱いうちに打たないと、本当に何も残らなくなるぞ!」