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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 824 - 九条家は完全に終わった

Chapter 824

九条家は完全に終わった

九条家の大旦那様は何か言おうとしたが、九条蓮の落ち着いた様子を見て、結局何も言わなかった。

九条蓮を信じていた。これは彼への試練だ。この試練を乗り越えられれば、今後どんな困難も彼を阻むことはないだろう。

ふと、九条家の大旦那様は高橋美咲のことを思い出した。

今のように九条蓮が落ちぶれた姿を見て、あの女はきっと何の未練もなく出て行ったのだろう。どうせ彼女は自分が彼女を好いていないことを知っていたのだから。

九条家の大旦那様は「その女はどこに行った?」と尋ねた。

誰のことか名指しはしなかったが、九条蓮には高橋美咲のことだとすぐに分かった。彼は口元にわずかに笑みを浮かべて「会社を離れた後、九条凛に離婚届を渡してもらった」と答えた。

九条家の大旦那様は小さく鼻を鳴らした。「どうせ何の迷いもなくサインしたんだろう!」

高橋美咲のような女は信用できないと分かっていた。九条蓮が九条家の後継者だった頃は、しがみついて離れなかったくせに、今や何もかも失った途端、すぐに見捨てたに違いない。

以前は高橋美咲への偏見を捨てていた九条家の大旦那様だったが、今もなお色眼鏡で彼女を見ていた。

九条蓮は九条家の大旦那様の表情を見て、何を考えているかすぐに察した。そして微笑みながら「美咲はサインしなかった。僕がどうなろうと、ずっとそばにいて一緒に歩んでいくと言ってくれた」と言った。

その言葉を聞いた瞬間、九条家の大旦那様は固まった。

高橋美咲は九条蓮を見捨てなかったのか?

九条蓮は続けた。「今回、会長が毒を盛られた時、ちょうど美咲と話していたから、彼女が一番の容疑者になった。会長が目を覚ますまで、ずっと留置場にいたけど、一言も文句を言わず、僕がすべてを調べて解決するのを静かに待ってくれていた。」

その話を聞いて、九条家の大旦那様は黙り込んだ。

九条蓮の言葉を聞きながら、九条家の大奥様の目には一瞬、感情がよぎった。今の九条家の状況で、高橋美咲の一つ一つの行動が他の誰とも大きく対照的だった。特に彼女の揺るがぬ姿勢は、何よりも貴重だった。

「美咲は蓮の正体を知らなかったし、もともと彼を見下したことなんてない。今さら見下すはずがないでしょう?」と九条家の大奥様は微笑んで言った。「あなたも、もう美咲をそんなふうに見ないであげて。お母さんが清苑と関係があるとはいえ、とてもいい子よ。」

最初の驚きが過ぎると、九条家の大旦那様の胸には複雑な思いが残った。

唇を引き結び、沈んだ声で「分かったよ。もう蓮と一緒にいるのを反対してないだろう?あの日、私が彼女を九条家本邸に戻すように言ったんだ」と言った。

九条蓮の目に鋭い光が走った。高橋美咲は九条家に戻ることを渋っていた。やっと説得して受け入れてもらったのに、戻ったその日にこんなことが起きてしまった。

高橋美咲のために、すべての障害を取り除かなければ、彼女を九条家に戻すつもりはなかった。

今回のようなことは、二度と起こらないようにしたいと強く思った。

「お祖父様、ゆっくり休んでください。僕はこれで失礼します。」と声をかけ、九条蓮は病室を後にした。

九条家の大旦那様は孫の高く凛々しい背中を見送りながら、長いため息をついた。その様子を見て、隣の九条家の大奥様が「どうしたの?何をそんなにため息ついてるの?蓮がちゃんとやるって言ったじゃない」と尋ねた。

「蓮のことが心配なんだ。私の前では強がっているだけで、本当はどうにもできないんじゃないかと……」

「もう、蓮の力を信じてあげて。あなたが自分の手で育てた子でしょう?あなたが信じなくて誰が信じるの?」