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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 793 - 本当に安っぽい(続き)

Chapter 793

本当に安っぽい(続き)

まさか九条凛がこの二人の前で、ここまで立場が低いとは思わなかった。二人とも九条凛を徹底的に見下しているようで、結城絵麻は本当に信じられなかった。

「莉央、もうこの女に構うのはやめよう。そうしないと、またすぐ僕に付きまとい始めるぞ」森岡千隼は西園寺莉央を引っ張って立ち去ろうとした。

そして言った。「結婚指輪を見に行こう。まだ気に入らないところがないか確認して、あったらすぐに直してもらおう。そうしないと、あとで時間が足りなくなる」

森岡千隼の言葉を聞き、九条凛は少し可笑しくなっただけだった。

自分が彼にしつこく付きまとうなどと、一体どの口が言うのだろう。森岡千隼が西園寺莉央に取り入ったと知ったとき、凛はすぐに彼との関係を断ち切った。

自分が森岡千隼に付きまとっている?そんなものは天下一の笑い話だ!

だが、西園寺莉央は立ち去る気になれなかった。

以前、森岡千隼は西園寺莉央に警戒心を抱かせるため、九条凛がずっと自分に付きまとっていると話していた。

今こうしてその女を目の前にすると、どこをどう見ても気に入らなかった。

西園寺莉央は高橋グループのVIP顧客で、今回は高橋彩花の名義で働く最高責任者であるトップデザイナーに、結婚指輪のデザインを依頼していた。

店員も彼女の身元を知っていた。だから先ほど莉央が入店した途端、あれほど熱心に出迎え、九条凛を脇へ押しのけたのだ。

「ねえ、この女もジュエリーを買いに来たの?」西園寺莉央は突然振り返り、後ろにいた店員に尋ねた。

店員はすぐに答えた。「はい、こちらのお客様は当店のメゾン・ヴェルヌのジュエリーをお求めにいらっしゃいました」

西園寺莉央の視線が九条凛の前にある小さなショーケースへ落ち、その目に軽蔑が浮かんだ。

「当然よね。九条凛みたいな貧乏人には、こんなジュエリーしか買えないもの。このショーケースにあるのって、全部値引きされた型落ちの在庫処分品でしょう?」

「それは……」

店員は最初、違うと言おうとした。だが、高橋彩花がわざわざ助手の大庭理香を通じ、高橋美咲のジュエリーは取り置きにして触らないよう指示していたことを思い出したうえ、目の前にいるのも大切な顧客だった。

西園寺莉央は毎シーズン、新作が出るとすぐに購入する。だから目の前の新規客より、はるかに確実な顧客だった。

この新規客は、メゾン・ヴェルヌのジュエリーを名指しで求めに来たとはいえ、本当に買うかどうかは分からない。

あれこれ比較した末、店員は結局、西園寺莉央に取り入る方を選んだ。

笑顔で言う。「はい、こちらはすべて在庫処分品でございます。お客様のものは高級オーダーメイドですので、当然こちらとは異なります」

それを聞いた西園寺莉央は、すっかり上機嫌になった。腕を組んで九条凛を見ながら言う。「そうよね。こういうものしか買えない人もいるもの」

九条凛は冷笑を漏らし、店員に言った。「その通りね。私には本当に、ここにあるものしか買えないわ……」

そして口調を変えた。「ここにあるもの、全部包んでちょうだい」

それを聞いた店員は、目玉が飛び出しそうになった。

在庫処分品とは言ったものの、本当にすべて買えば、決して安い金額ではない。この女、本気なの?

西園寺莉央は九条凛の言葉を聞き、隣にいる店員の呆然とした表情を見ると、凛は本当に見栄を張るのが得意だと思った。

何の冗談よ?

全部買う?そんなお金があるの?

莉央は鼻で笑い、意地悪く言った。「最近の人ってすごいわね!見栄を張るためなら、どんなことでも口にするんだから。あとで思い切り恥をかくのが怖くないのかしら?」