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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 79 - 本当にセンスないんだから

Chapter 79

本当にセンスないんだから

そう言い残して、部屋を出ていった。

庭に出ると、九条蓮はすぐに九条凛の番号をダイヤルした。彼女はすぐに電話に出た。

「蓮、私が美咲をすっごく綺麗にしてあげたでしょ?私に任せておけば絶対安心だって!これだけ完璧にやったんだから、何かご褒美くれてもいいんじゃない?」九条蓮からの電話に、九条凛は得意げに褒め言葉を待っていた。

ところが、九条蓮は冷たい声で言った。「そのドレスは似合わない。着替えさせてくれ。」

「え?」九条凛は固まった。

まさか褒められるどころか、そんな冷たい言葉が返ってくるとは思っていなかった。

その場でぷりぷり怒って、「何よ、似合わないって!私だけじゃなくて、ここの店員さんたちだって絶賛してたのよ?本当にセンスないんだから!」

九条凛が一気にまくし立てる間、九条蓮はずっと黙っていた。

彼女が言い終わると、九条蓮はゆっくりと言った。「露出が多すぎる。」

「ろ、露出が多すぎる?」

九条凛は高橋美咲のドレスが確かに大胆な背中開きだったことを思い出した。ちょっとセクシーな感じはしたが、九条蓮がそこまで気にするとは思わなかった。

もし相手がどうでもいい女性なら、たとえ全裸で目の前に現れても九条蓮は一瞥もくれないだろう。

それなのに高橋美咲が少しセクシーな服を着ているだけで、ここまで気にするなんて。これは男の独占欲、つまり高橋美咲を本気で大切に思っている証拠じゃないか。

九条凛はもう怒る気も失せ、代わりに口元を緩めて微笑んだ。

「はいはい、すぐに別のドレスに着替えさせるから。絶対に蓮が満足するやつにするわ。」

九条蓮は電話を切った。

部屋に戻ると、九条会長の視線が九条蓮に向けられ、その目にはほのかな満足の色が浮かんでいた。

この孫こそ、近年の九条家で最も優秀で傑出した男だ。

彼が見せたビジネスの才覚は父親世代をも凌ぎ、九条会長は全ての期待を彼に託していた。

九条会長は他の誰も経ず、家督を直接彼に譲ると決めていた。今もすでに、次期当主として九条蓮を育てている。

だが、九条家の未来の当主には、それにふさわしい家柄の女性が必要だ。

九条会長は思考を切り替え、重々しい声で言った。「蓮、15日に林家のお嬢さんと会うように手配した。必ず会ってきなさい。」

15日は九条悠真の婚約披露宴の日だった。

九条蓮は眉をひそめた。「その日は予定があります。」

「何の予定があるというんだ?東京支社のことなど重要じゃない。これからは大阪に専念しなさい。九条インターナショナルだけで十分だ。」

そう言い放つと、九条会長は不機嫌そうに鼻を鳴らした。「前回はモンロー嬢をすっぽかしただろう。今度は絶対に林さんと会うんだ!」

会長は頑固で強引、その命令には逆らえない空気があった。

九条蓮の表情がわずかに曇る。高橋美咲のことはどうなるのか——

東京・吉田美玲スタイリングスタジオ。

高橋美咲はメイクを終え、立ち上がった瞬間、背中にひやりとした感覚を覚えた。さっきまでは髪を下ろしていたので気にならなかったが、アップにした今は背中が丸ごと露出している。

少し戸惑いながら尋ねた。「このドレス以外に、他のデザインはありませんか?」

店員が不思議そうに聞き返す。「高橋さん、何かお気に召さない点がございますか?」

「ちょっと露出が多い気がして…」

ドレス自体はとても綺麗だったが、人前で啖呵を切るには向いていない。もし桜井奈緒と揉めてしまったら、自分の身を守るのに精一杯で反撃できない。そんなの絶対に不利だ。

「では、別のドレスをお持ちします。」店員は高橋美咲がとても美しく着こなしているのを惜しいと思いつつも、彼女の希望を尊重した。

店員は他のドレスを取りに行った。

高橋美咲がその場で待っていると、突然声が響いた。「ねえ、このドレスすごく素敵!お姉さん、同じのもう一着ある?私も着てみたい!」