Chapter 778
九条蓮、本当に九条家を追い出されていた
高橋美咲と森川茉莉は東都キャピタルに到着した。会社は大阪の賑やかなビジネス街にあり、高橋グループや九条ホールディングスともかなり近い場所だった。
さっき九条ホールディングスのビルの前を通ったとき、高橋美咲はついその高層ビルを見上げてしまい、九条蓮が九条家を追い出された件が頭から離れなかった。
前回、森川茉莉から東都キャピタルの背景を聞いてから、帰宅後はずっと東都キャピタルの責任者の好みを調べ、一発で成功できるよう準備してきた。
東都キャピタルの責任者は西園寺という名字で、資産家の二代目。とにかくお金持ちだと言われている。
ただ、ビジネスの才覚はあまりなく、将来伸びそうな会社に投資して、利益が出たら配当を受け取るスタイルらしい。
西園寺氏は経営の才能はないが、投資の目利きとしては定評があった。
彼が投資した会社はどれも業績が良く、東都キャピタルも今や大阪有数の大手投資会社となっている。
「こんにちは、高橋美咲です。高橋満善デザインのマネージャーをしております。西園寺様とお約束しています。」受付に着くと、高橋美咲は名乗った。
「かしこまりました。ご案内いたします。西園寺様は本日、他にも複数の会社とお約束がございますので、少々お待ちいただく場合がございます。」
高橋美咲はもちろん異論はなかった。森川茉莉とともに受付の案内で会議室へ向かった。
その途中、森川茉莉が小声で「高橋マネージャー、どうして西園寺さんは他の会社とも約束してるんですか?私たちだけじゃなかったんですか?」と尋ねた。
高橋美咲は少し目を伏せ、「お金を持っている人が一番強いのよ。私たちは全力で西園寺さんに認めてもらうしかないわ」と答えた。
会議室にはすでに何人かが座っていた。高橋美咲が入ると、何人かが顔を上げて彼女を見た。高橋美咲は彼らのことをほとんど知らず、挨拶する必要も感じなかった。もしかしたら競合相手かもしれないからだ。
無表情のまま席に座り、西園寺氏に呼ばれるのをじっと待った。
そのとき、会議室のドアが再び開いた。さっき高橋美咲たちを案内した受付が、今度は二人を連れて入ってきた。なんと高橋彩花と大庭理香だった。
森川茉莉はその二人を見て、目を見開いて驚いた。
どういうこと?高橋彩花まで来ているなんて。もしかして彼女たちも西園寺氏に会いに来たの?
「高橋マネージャー、なんであの人たちがここに?」森川茉莉は高橋美咲の耳元で小声で尋ねた。
高橋美咲は表情を変えずに高橋彩花の方を見た。高橋彩花もそれに気づいたのか、勝ち誇ったような笑みを浮かべてきた。さらに高橋美咲に向かって、まるで「あなたは私に勝てない」とでも言いたげなジェスチャーまでしてみせた。
高橋美咲が東都キャピタルに来たと知るや否や、高橋彩花はすぐにコネを使ってここに乗り込んできたのだ。どんな手を使ってでも高橋美咲の投資話を潰すつもりだった。
高橋美咲は少し表情を引き締め、気持ちを切り替えた。
高橋彩花が来たからには、必ず自分を狙ってくるだろう。余計なことは考えず、来るものは受けて立つしかない。どんな相手でも、一つ一つ乗り越えていくしかないのだ。
「大丈夫、無視しておこう。」高橋美咲は森川茉莉を励ました。
高橋美咲はそこまで気にしていないようだったが、森川茉莉はやはり少し不安そうだった。
この後、何事もなくうまくいってほしいと願うばかりだった。
もし今回投資家が見つからなければ、新商品の発表会もできず、高橋グループで高橋彩花にずっと押さえつけられたまま、何の成果も出せないままだ。
そのとき、高橋彩花の隣にいた大庭理香が、「高橋マネージャー、すべて手配済みです。もうすぐ高橋美咲は尻尾を巻いて出ていくしかなくなりますよ!」と高橋彩花に耳打ちした。
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