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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 725 - 高橋美咲は偽装妊娠でのし上がった

Chapter 725

高橋美咲は偽装妊娠でのし上がった

パーティー会場の片隅。

先ほどの一件以来、佐伯葉月に声をかける者はおらず、近づく者さえいなかった。

だが、九条芽衣だけは例外だった。

今、芽衣は人混みから離れた場所で葉月と話をしていた。皆の関心はそれぞれ別のことに向いており、二人に気づく者はいない。だからこそ、芽衣もようやく葉月を訪ねることができたのだ。

あの日、高橋美咲の妊娠が偽りだと知って以来、芽衣はどう暴露するかをずっと考えていた。

今回、佐伯葉月は高橋美咲の前で何度も恥をかいた。美咲への恨みは相当深いはずだ。葉月を利用して美咲の嘘を暴かせるのが最善の手であり、芽衣自身の手を汚す必要もない。

九条芽衣はしばらく佐伯葉月を慰め、わざとしたことではないと分かっているから気にしないように、と言った。

パーティーの出席者たちから散々白い目を向けられていた葉月にとって、今や自分を信じてくれるのは芽衣だけだった。葉月はひどく感動し、芽衣への好感を大いに高めた。

「はあ、高橋美咲にはかなわないわ。これで九条家からも、きっと見向きもされなくなったでしょうね」佐伯葉月は落ち込んだ表情で言った。

そんな葉月を見て、九条芽衣の目に鋭い光が走った。「葉月、実はあなたに教えたい秘密があるの」

「何の秘密?」

「高橋美咲は妊娠しているのよ」

佐伯葉月は驚愕して九条芽衣を見つめた。高橋美咲が、まさかもう……。

だから九条家に入れたのか。そのうえ高橋家の娘という身分まであるのなら、葉月の入り込む余地など、どこに残っているというのだろう?

佐伯葉月の自信は一瞬でどん底まで落ちた。もともと気落ちしていたところへ、今度はすっかり劣等感にのみ込まれ、自分は高橋美咲には到底かなわないと思い知らされた。

九条芽衣は葉月の表情が崩れるのを見て、今こそ頃合いだと悟った。微笑みながら言う。「でもね、ちょうど私、ある秘密を知っているの」

芽衣は佐伯葉月の耳元に顔を寄せた。「高橋美咲のお腹は偽物よ!」

佐伯葉月の瞳がきゅっと縮んだ。これほど天地がひっくり返るような話を聞くとは、思いもしなかった。

何ですって?

高橋美咲のお腹が偽物?本当なの?

まさかの展開に、葉月は完全に不意を突かれた。それでは、高橋美咲は皆を騙していたということではないか?

九条芽衣は言った。「あの日、高橋美咲が検査を受けに行くところを見たの。そのあと医師に尋ねたら、美咲は妊娠なんてしていないと分かったわ。それなのに、お祖父様とお祖母様にはもう妊娠していると嘘をついた。だから二人も、彼女を九条家に迎え入れたのよ……」

そこまで言うと、九条芽衣は佐伯葉月を見た。「葉月、あなたにもまったく可能性がないわけじゃないのよ」

九条芽衣には、佐伯葉月が必ずこの件を利用すると分かっていた。だから、それ以上言う必要はなかった。

九条芽衣の話を聞くうちに、佐伯葉月の目には次第に興奮の色が浮かんだ。

そうよ!私にはまだチャンスがある!

高橋美咲の妊娠が偽りだと分かれば、皆の前でこの事実を暴露できれば、たとえ高橋家の娘という身分があっても、九条会長と九条家の大奥様に気に入られたままではいられないはずだ。

佐伯葉月は先ほどまでの落ち込みを一掃し、生き返ったかのように顔を輝かせた。

葉月は九条芽衣を見上げ、感謝を込めて言った。「九条芽衣、本当にありがとう。このことを教えてくれて、ありがとう」

九条芽衣は愛らしく微笑んだ。「あなたに私のお義姉さんになってほしいの。もちろん力になるわ」

佐伯葉月は冷笑を漏らし、歯を食いしばって言った。「どうやって暴露するか考えるわ。そして皆に、高橋美咲の本当の顔を見せてやる。偽装妊娠でのし上がった女の正体をね!」