Chapter 719
高橋美咲が会場中を魅了する
自分のもとを去り、九条蓮と一緒になってから、彼女はますます輝きを増していた。もはや、その光に追いつくことさえできないほどに。
九条悠真の表情は、次第に暗く沈んでいった。
高橋美咲が注目の的になった今、九条凛が、この千載一遇の機会を逃すはずはなかった。
すぐに促した。「美咲さん、お祖母様に贈り物を用意したんでしょ? さっきは佐伯葉月が飛び出してきて邪魔をしたけど、もう誰も邪魔しないから、早く出して」
皆は先ほどの騒ぎに驚かされていたが、九条凛の言葉を聞くと、たちまちそちらへ注意を向けた。
高橋美咲は、本当に九条家の大奥様への贈り物を用意していたの?
九条家の大奥様まで少し驚いた。高橋美咲が自分の誕生日宴の準備を手伝うかたわら、贈り物まで心を込めて用意していたとは思わなかった。本当に気の利く人だ。
優しい目で高橋美咲を見た。「美咲さんは、私にどんな贈り物を用意してくれたの?」
高橋美咲は淡く笑い、慌てることなくバッグから精巧な箱を取り出して言った。「私から差し上げられるようなものは、あまりありません。それに、大奥様には足りないものもないでしょうから、私が大奥様のためにデザインしたジュエリーを贈ることしか思いつきませんでした」
片隅に立っていた佐伯葉月は、高橋美咲も自分でデザインしたジュエリーを贈ると聞くと、目に冷たい光を浮かべた。
高橋美咲もネックレスを贈るの? さっき自分が恥をかいたことを、あざ笑うつもり?
先ほどは時間に追われていたため、高橋美咲はネックレスを入れる見栄えのよい箱を探す暇がなかった。この箱は、先ほど佐伯葉月が差し出した箱ほど精巧には見えず、ごく普通のものだった。
その質素な箱を見て、少なからぬ人々がやや失望した。
おそらく、どこにでもある量販品だと思ったのだ。
九条家の大奥様は高橋美咲の箱を受け取り、皆の前で、その一見何の変哲もない箱を開いた。
その瞬間、周囲のあちこちで息をのむ音が上がった。
全員の視線が、再び高橋美咲の贈り物に引き寄せられた。
箱の中には、豪奢なネックレスが静かに横たわっていた。あまりにも美しい品だった。照明の下、中央を飾るエメラルドがまばゆい光を放ち、独創的なデザインと相まって、一瞬で皆の視線を奪った。
大勢がネックレスのデザインに驚嘆し、長いあいだ言葉を発することができなかった。
先ほどまでは、佐伯葉月が贈ったネックレスもとても美しいと、多くの人が思っていた。
だが今、高橋美咲のネックレスを目にすると、それに比べて佐伯葉月の品は、本当に安っぽい模造品のように見えた。高橋美咲のデザインとは、まるで比べものにならない!
九条家の大奥様が高橋美咲から贈り物をもらうのは、これが初めてではなかった。だが、このデザインには心から驚かされた。
満面に喜びを浮かべ、ネックレスを取り出した。「まあ、とてもきれいね、美咲さん。これを自分でデザインしたの?」
九条家の大奥様は、高橋美咲が著名なデザイナーQueenであることを知っていた。これほど精巧なネックレスは、高橋美咲にしかデザインできない。
高橋美咲は軽くうなずいて言った。「はい。空いた時間を使って、大奥様のために特別にデザインしました」
自分のために時間を作ってネックレスをデザインしてくれたと聞き、九条家の大奥様は深く心を動かされた。
もともと九条家の大奥様は、高橋美咲をとても気に入っていた。九条久遠の一件があったために、高橋美咲への心にわだかまりが生まれただけだ。だが今、前の世代の恨みを、次の世代の者に背負わせてよいのかと、考えずにはいられなくなった。
そろそろ、偏見を手放すべきなのかもしれない。
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