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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 691 - 高橋美咲の本性

Chapter 691

高橋美咲の本性

「いい加減にして!」高橋美咲は顔を曇らせた。九条悠真がそんなふうに考えているとは思わなかった。「私の記憶が正しければ、先に浮気して桜井奈緒と付き合ったのはあなたでしょう。自分がしたことだけ、都合よく全部忘れたの?」

九条悠真の唇が動いたものの、言葉は出てこなかった。

桜井奈緒のような女に出会ったせいで、自分は今のような結末を迎えた。彼は桜井奈緒を心の底から恨み、同時に後悔でいっぱいだった。高橋美咲はあれほどいい子だったのに、自分は彼女を手放してしまった。

手に入らなかったものほど、よく見えるのかもしれない。

「九条悠真、二度と私の前に現れないで。さもないと、今度こそ許さないから」

そう言うと、高橋美咲は背を向け、そのまま立ち去った。

そのとき、ずっと物陰から見ていた佐伯葉月は陰気な冷笑を浮かべ、ゆっくりとスマートフォンをしまった。

たった今撮った写真を見る。高橋美咲と九条悠真が抱き合っている写真、二人が手を取り合っている写真、九条悠真が深い愛情を込めて高橋美咲を見つめる写真——どれも、この上なく親密で意味深に見えた。

自分の女がほかの男とこんな姿を見せて、耐えられる男などいない。

彼女は何枚か写真を選び、すべて送信した。

送信済みの表示を見ると、佐伯葉月はわずかに口角を上げた。

高橋美咲、もうおしまいよ!

まさか天まで自分に味方してくれるとは思わなかった。あとは九条蓮が高橋美咲を捨てるのを待つだけだ!

……

同じ頃、九条蓮は神谷海斗と一緒にいた。

たまたま神谷海斗を訪ねてきた九条凛も、そのまま二人のそばにいた。そのとき、九条蓮のスマートフォンが突然「ピコン」と鳴り、画面には佐伯葉月の登録名と、その下に画像が表示された。

「お兄ちゃん、どうしてまだ佐伯葉月の番号を登録してるの?そんなことしてるなら、本気で軽蔑するからね」

九条凛は疑うように目を細め、高橋美咲をかばう態度を見せた。高橋美咲は親友であり、大好きな義姉でもある。だから美咲のために、しっかり目を光らせておかなければならない。

九条蓮は以前その番号を登録していたし、九条家と佐伯家には小規模ながら仕事上の取引もあった。

自分がやましいことをしていない以上、電話番号を登録していても大した問題ではないと思っていた。

「お兄ちゃん、あの女、絶対に自撮り写真を送ってきたんだよ。こういう手口は私が一番よく知ってる。私に任せて!」

そう言うと、九条凛は九条蓮のスマートフォンを手に取り、ロックを解除した。

九条蓮の暗証番号など、彼女にとっては何の難しさもなかった。自分は兄の大切な妹なのだ。

ロックを解除すると、九条凛は佐伯葉月から送られてきた画像付きメッセージを開いた。頭の先からつま先まで徹底的にけなしてやろうとしたが、目に飛び込んできたのは高橋美咲と九条悠真の写真だった。

「うそっ!ゴホッ、ゴホッ……」九条凛は全身が跳ねるほど驚き、危うくスマートフォンを取り落としそうになった。

慌てて写真を削除しようとしたが、九条蓮の方が素早く、スマートフォンを奪い返した。

「お兄ちゃん、見ないで——あっ!」九条凛は奪い返そうとしたが、もう遅かった。

九条蓮は佐伯葉月の画像付きメッセージを目にした。

そこに写っていたのは、九条悠真が高橋美咲を抱きしめる姿だった。九条蓮の顔は、たちまち険しくなった。

羽田空港。

今、メゾン・ヴェルヌの仕事は森川茉莉と相沢紫苑が担当していた。高橋美咲は昨日、Niaとの勝負に臨んだあと、かつて九条蓮と暮らしていた家へ戻って荷物をまとめ、今日は大阪へ戻る便に乗るところだった。

「高橋マネージャー、本当に寂しくなります」