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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 690 - 佐伯葉月、完全敗北(続き)

Chapter 690

佐伯葉月、完全敗北(続き)

大奥様にそう言われ、不満を抱えながらも、大旦那様は低く鼻を鳴らすことしかできなかった。

……

すべてが終わると、高橋美咲は荷物をまとめ、帰る準備をした。今や彼女は高橋家に戻り、大阪へ戻っている。これからは、完全に大阪を拠点にすることになるかもしれない。

今日は佐伯葉月と勝負をするためだけでなく、東京へ戻り、荷物をまとめるためにも来ていた。

東京で暮らした期間はそれほど長くなかったが、持ち帰る物はかなり多かった。

思いがけず、まったく予想もしていなかった人物に出くわした。

九条悠真。

つい数日前、九条悠真のせいでひどい目に遭ったばかりだった。その彼が今、目の前に現れたのを見て、高橋美咲は妙な現実感のなさを覚えた。前回、九条蓮に九条悠真がどこへ行ったのか尋ねたが、答えてはもらえなかった。

以前と比べ、九条悠真はひどくやつれていた。

髪はとても短く切られ、顔にはかなり無精ひげが生え、目の下には濃い隈ができていた。すっかり落ちぶれ、まるで別人のようだった。

高橋美咲と九条悠真はかつて交際していたが、穏やかに別れたわけではない。

その後、最後に会ったときも不愉快な別れ方をした。今さら再会しても、話すことなど何もない。高橋美咲は九条悠真を一瞥しただけで背を向けようとしたが、その瞬間、九条悠真の長身が突然行く手を塞いだ。

「美咲」

九条悠真は高橋美咲を深く見つめ、その目には彼女にも読み取れない感情が浮かんでいた。

高橋美咲は一歩後ずさった。「九条さん、何か用ですか?」

九条悠真は九条蓮によって、しばらく拘置所へ送られていた。その間に初めて、九条蓮が本当にあの九条蓮なのだと知った!

自分をこんな目に遭わせた張本人は、九条蓮だった。

その後、九条沙耶香があらゆる手を尽くし、九条家のほかの親族にまで助けを求めた末、ようやく彼を外へ出すことができた。そうでなければ、恐らくあの中で死んでいただろう。

この間、彼は目覚めている間ずっと九条蓮を恨み続け、同時に高橋美咲への執着を募らせていた!

高橋美咲が九条蓮に取り入り、そのためにわざと自分を捨てたのだと思っていた。以前の高橋美咲は、決してそんな女ではなかった。

すべての元凶は九条蓮だ!

「美咲、九条蓮は俺を刑務所へ送ったんだ。君は俺に償うべきだ。今すぐ九条蓮と別れて、代わりに俺と付き合え!」そう言うと、九条悠真は一歩前へ出て、高橋美咲を腕の中へ抱き込んだ。

九条悠真がここまで恥知らずなことを言うとは、高橋美咲も思わなかった。これほど面の皮が厚い人間を見たことがない。

彼女は必死にもがいた。「離して!」

そのとき、ちょうど佐伯葉月たちが階段を下りてきた。高橋美咲と九条悠真が抱き合っているのを見ると、彼女はすぐに物陰へ隠れ、スマートフォンを取り出して高橋美咲の写真を次々と撮り始めた。

これはいいものを見たわ!

高橋美咲がこれほど寂しさに耐えられない女だとは思わなかった。写真を九条蓮に送り、高橋美咲の本性を見せてやるつもりだった。

高橋美咲は膝を振り上げ、九条悠真の股間を容赦なく蹴りつけた。九条悠真は顔を青ざめさせ、股間を押さえて高橋美咲を放した。

「九条悠真、いい加減にして。私は今、九条蓮の妻よ。立場から言えば、あなたの叔母に当たるの。これからは礼儀をわきまえて、私に馴れ馴れしく触らないで。さもないと、容赦しないわよ」

「美咲、どうしてそんなに冷たくするんだ?九条蓮に取り入って、俺より上の男だと思ってるから……」