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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 686 - 九条悠真はどこへ行ったの?

Chapter 686

九条悠真はどこへ行ったの?

九条芽衣が自分にあんなことをしたのは、九条悠真をこんな目に遭わせた自分を恨んでいたからなの?

高橋美咲は、本当に犬の糞を踏んだような気分だった。

九条悠真がこんな状況になったことが自分のせいかどうかはさておき、以前彼が自分にしようとした数々のことを考えれば、今の結末は自業自得ではないだろうか。

「もういい?ほかに聞きたいことは?」

「今のところはないわ」高橋美咲は首を横に振った。

高橋美咲の言葉を聞くと、九条蓮は顔を伏せ、彼女に口づけ始めた。「じゃあ、今から頑張らないとな。今回の種まきで、いい結果が出るといいけど」

その言葉に、高橋美咲の頬が熱くなった。

いったい、どんな例えなの?

……

九条家の夕食会で起きたことの影は、すぐに過ぎ去った。

あの日、高橋美咲と九条蓮は少し言い争ったものの、その後、夫婦の間にあった不満はすべてベッドの上で消え去った。

最近の高橋美咲は、高橋グループの仕事で忙しいだけでなく、佐伯葉月との勝負に対応するため東京と大阪を行き来しなければならなかった。幸い、森川茉莉と相沢紫苑が手伝ってくれたため、毎日はこの上なく充実し、目の回るような忙しさだった。

数えてみれば、九条蓮と会えるのは平均して3日に1度だけだった。

二人には、もう一度子作りに励む時間もなかった。

とはいえ、九条蓮にも文句を言っている余裕はなかった。九条家の大旦那様は今、高橋美咲を快く思っていない。そのため、わざと九条蓮に大量の仕事を割り振り、高橋美咲と過ごす時間がなくなるほど忙しくさせ、時間をかけて二人の関係を遠ざけようとしていた。

高橋美咲が子供を産んだあとなら、母親を追い出し、子供だけを残すことも容易になると考えていたのだ。

高橋美咲の高橋グループ入りは順調ではなかった。高橋彩花があらゆる手段で彼女を陥れようとしているのだから、楽に仕事をさせるはずがない。幸い、高橋美咲は簡単に諦める人間ではなく、高橋彩花についてもある程度理解していた。

彼女は高橋彩花の卑劣な手をことごとく軽々とかわし、相手を激怒させた。

あっという間に、高橋美咲と佐伯葉月の勝負の結果が発表される日が迫っていた!

その夜、高橋美咲は荷造りをしていた。

高橋グループには3日間の休暇を申請しており、明日は東京へ飛び、メゾン・ヴェルヌとNiaの勝負に決着をつけることになっていた。

九条蓮は疲れ切った様子で帰ってきた。高橋美咲が荷造りをしているのを見て、ようやくこの件を思い出し、自分が何の手配もしていなかったことに気づいた。

「美咲、一人で大丈夫か?俺も一緒に行こうか?」

そう言うと、九条蓮はスマートフォンを取り出し、真壁直人に電話して仕事を延期させようとした。

高橋美咲は手にしていたものを置き、急いで前へ出て止めた。笑顔で言った。「私のことは心配しなくていいよ。東京へ行くだけだし、何か起きるわけじゃない。それより、自分の仕事を先に片づけて」

あの日の九条芽衣の件で、九条のお祖父様が自分をひどく嫌っていることは分かっていた。ただでさえ忙しい九条蓮がすべての仕事を後回しにして自分と東京へ行けば、状況はさらに悪くなるかもしれない。

高橋美咲が心から自分を気遣っているのを見て、九条蓮の胸に温かなものが込み上げた。

彼は手を伸ばして高橋美咲の頭を撫で、優しく言った。「ああ、早く帰ってくるんだぞ。家で待ってる」

「家」という言葉を聞き、高橋美咲は一瞬ぼんやりした。

そのとき初めて、二人がすでに大阪にあるこの一戸建てを、自分たちの家としていたことを思い出した。九条蓮の言うとおり、これからは大阪のこの場所が二人の家になるのだ。

「うん、必ず勝って帰ってくる!」