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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 679 - 九条家の集い(続き)

Chapter 679

九条家の集い(続き)

この従妹はとても親しみやすそうで、微笑みが絶えず、柔らかな雰囲気をまとっていた。高橋美咲が目を向けると、彼女はすぐに笑顔で「義姉さん、こんにちは」と挨拶した。

「こんにちは」と高橋美咲も丁寧に返した。

「義姉さん、夕食までまだ時間があるから、九条家の屋敷を案内しますね。あまり来たことないでしょう?」

高橋美咲は九条蓮の方を見て、どうするか目で尋ねた。

九条蓮はうなずいて「美咲、行っておいで」と言った。

今は九条家の大旦那様と顔を合わせて気まずいだろうし、外の空気を吸ってきてほしいと思っていたので、九条芽衣の提案はちょうどよかった。

九条蓮が反対しないのを見て、高橋美咲は立ち上がり、九条芽衣と一緒に外へ出た。

九条家の屋敷は本当に広大で、サッカー場のような芝生が広がり、どこを見ても緑が美しい。

二人は一緒に庭園へ向かって歩き、道すがら九条芽衣がいろいろな場所を紹介してくれた。高橋美咲はそれを静かに心に刻んだ。九条家の敷地の奥には人工の池があり、蓮の花が咲いていた。すでに空は暗くなり始め、夕風に揺れる水面がひときわ美しく見えた。

高橋美咲の胸にずっとあった緊張が、美しい景色を目にした瞬間、ようやく和らいだ。

突然、背後から九条芽衣の声が聞こえた。

「美咲さん、九条悠真と昔付き合ってたって本当?」

高橋美咲は振り返り、九条芽衣を一瞥した。隠すことなく、「ええ、確かに九条悠真と付き合ってたことはあるけど、それはもう過去の話。今は何の関係もないわ」と答えた。

九条芽衣は少し目を伏せ、その表情を隠した。

「今、彼がどこにいるか知ってる?」

高橋美咲は一瞬固まった。そんなことを聞かれるとは思っていなかった。

よく考えてみると、九条悠真の姿を本当に長い間見ていなかった。桜井奈緒とのスキャンダルの後、そして九条悠真が自分にしたことの後、彼は二度と自分の前に現れなかった。

まるで消えてしまったかのようだった。

今の高橋美咲の心は九条蓮でいっぱいで、九条悠真のことなど考えもしなかった。

そんな時に九条芽衣から突然そんなことを聞かれ、高橋美咲は少し戸惑った。「もうずっと会ってないわ。どうしてそんなこと聞くの?」

九条芽衣は口元を歪めて、少し嘲るように言った。「蓮があなたのために悠真を刑務所に送ったの、知ってた?」

高橋美咲は少し驚いた。それは知らなかった。

「九条蓮からは何も聞いてないわ。」

「実はね……」九条芽衣は不気味な笑みを浮かべ、ゆっくりと言った。「あなたは蓮と一緒にいるべきじゃないと思う。あなたが九条家をこんなふうにしたのよ。あなたなんて疫病神だわ!」

最後には九条芽衣の顔が突然、鬼のように歪んだ。

高橋美咲はその急な変化に驚き、しばらく反応できなかった。

その時、九条芽衣は急に笑みを浮かべ、後ろの池に向かって倒れ込んだ。

バシャッという音とともに、九条芽衣は池に落ちた!

高橋美咲は全身が固まり、目を見開いて九条芽衣がゆっくりと水中に沈んでいくのを見つめていた。

すべてがあまりにも突然で、反応する暇もなかった。

さっきの九条芽衣の言葉が高橋美咲の頭の中で反響し、何かに気づき始めた。

つまり九条芽衣は本気で仲良くしたかったわけじゃない。わざわざここに誘ったのは、最初から自分を陥れるためだったのだ!

池に落ちた九条芽衣はまったくもがくこともなく、ゆっくりと底へ沈んでいった。

高橋美咲は考える暇もなく、すぐに水の中へ飛び込んだ。

彼女は泳ぎがそこそこ得意だったが、必死に水中を探しても九条芽衣を見つけられず、焦りでいっぱいだった。

突然、誰かが彼女の手を掴み、底へと引きずり込もうとした。

高橋美咲は突然水を飲み、咳き込みながらその力から逃れようと必死にもがいた。

九条芽衣はただ陥れるだけじゃなく、本気で自分を殺そうとしている——!