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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 652 - なんであの小娘はこんなに手強いの

Chapter 652

なんであの小娘はこんなに手強いの

関係はあまり良くなかったが、お互いの連絡先は消していなかった。何かあった時には、まだ連絡を取る必要があるかもしれないからだ。

高橋美咲は少し不思議に思った。なぜ高橋彩花が電話をかけてきたのだろう。もしかして、今日恥をかかされたことが気に入らなくて、夜中に文句を言うためにかけてきたのだろうか。

だが、高橋彩花はそういうタイプには見えなかった。

高橋美咲はほんの一瞬だけ迷ったが、すぐにスワイプして応答した。「もしもし、何の用?」

その声は冷たく、特に親しげな感じはなかった。

「高橋美咲、九条蓮がパパに何を言ったか知りたい?高橋グループに戻らないなら、教えてあげてもいいけど。」

電話の向こうからは高橋彩花の得意げな声が聞こえてきた。彼女と高橋花は書斎での会話を盗み聞きしていた。母娘はその内容に驚いたものの、すぐに冷静さを取り戻し、今はそれを高橋美咲への脅しに使おうと考えていた。

高橋正人が高橋美咲を追い出せたのだから、高橋美咲はこのことを知らないはずだ。

きっと高橋美咲も知りたいに違いない。

高橋美咲は高橋彩花の言葉を聞いて、表情が曇った。「へえ?私も知らないことを、あなたが知ってるんだ。すごいじゃない。」

「ふん!もちろん知ってるよ。パパの書斎に盗聴器を仕掛けたんだから。聞きたいかどうかだけ教えて。パパがあなたを呼び出したのは、これを知られたくなかったからだよ。」

高橋美咲の目が一瞬揺れ、彩花の言葉を信じた。

あの母娘なら、自分のことを気にして何でもやりかねない。盗聴器を仕掛けるくらい、十分やりそうだ。

「そう?安心して、パパの書斎に盗聴器を仕掛けたこと、ちゃんと伝えておくから。」高橋美咲も負けずに、落ち着いた口調で返した。

「あんた!」高橋彩花は怒りで言葉が詰まり、しばらく何も言えなかった。

「高橋美咲、くだらないこと言ってないで。どうせあんた、まだこのこと知らないんでしょ?高橋グループから離れてもう長いし、今さら戻っても居場所なんてないんだから、さっさと身を引いたら?」

高橋彩花はすぐに気を取り直し、危うく美咲のペースに乗せられそうになった自分に気づいた。

「あら、知りたければ九条蓮本人に聞けばいいだけ。あなたから聞く必要なんてないわ。」高橋美咲は少しからかうように微笑んだ。

彼女は決して高橋彩花の思い通りにはならない。彩花が簡単に教えるはずがないし、むしろ騙されるかもしれない。

子供の頃、何度もそんな目に遭ってきた。

人は経験から学ぶものだ。高橋彩花は、もう昔のように簡単に騙せると思っているのだろうか。

電話の向こうで高橋彩花はその言葉に顔色を曇らせ、歯ぎしりした。「彼は絶対に教えないよ。もし知ってほしかったら、あんたを追い出したりしないはず。」

「うん、教えてくれてありがとう。自分で調べるから。」

そう言って、高橋美咲はもう何も言わず、電話を切った。

高橋彩花は美咲に本当に電話を切られるとは思っていなかった。しばらく携帯を見つめたまま、呆然としていた。隣の高橋花が急かすように「どうしたの?あの小娘、何て言ってたの?高橋グループから身を引くって?」と聞いた。

さっきの美咲の余裕ある態度を思い出し、高橋彩花は拳を握りしめ、憎しみをあらわにした。

高橋美咲は全然納得していない!

結局、どうしても高橋グループを諦めきれないのだ。九条蓮が絡んでいても、戻って自分と争うつもりなのだ。

「ママ、あの子、私の条件を飲まなかった。」

高橋花は顔を曇らせ、歯を食いしばって言った。「あの小娘、なんであんなに手強いのよ。」

二人の顔色は最悪だった。