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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 649 - 私たちと高橋家は絶対に相容れない敵

Chapter 649

私たちと高橋家は絶対に相容れない敵

今や高橋美咲が高橋恵の娘だと知った以上、怒りを抑えられるはずがなかった。

せめて九条蓮がこれ以上意地を張って大旦那様を刺激しないようにと願うばかりだった。でなければ、彼が与える打撃はさらに大きくなるだろう。

皆がそれぞれ思いを巡らせていると、九条蓮の長身の姿が現れた。

「お祖父様。」

九条蓮は九条家の大旦那様の前に腰を下ろし、落ち着いた様子で座った。

だが、その目元や眉間にわずかな緊張と不安の色が浮かんでいた。

「この馬鹿者め!」九条家の大旦那様は九条蓮を睨みつけ、歯を食いしばって言った。「お前に聞く。高橋美咲は高橋家の娘なのか?」

九条家の大旦那様の言葉を聞き、九条蓮は本当に知られてしまったのだと悟った。もしかしたら他の用事で呼び戻されたのかもしれないというわずかな希望も、完全に消え去った。

あまりにも突然の出来事で、心の準備をする暇もなかった。

九条蓮はうつむいて小さく頷き、「はい。美咲は高橋家の一員です」と認めた。

「そして母親は高橋恵なのか?」と大旦那様がさらに問い詰める。

「はい」と九条蓮は低い声で答えた。

九条蓮の返答を聞き、九条家の大旦那様は怒りで体を震わせ、目まで赤くなった。

隣にいた九条家の大奥様も胸を痛めた様子で、怒りを込めて問い詰めた。「蓮、どうして美咲が高橋家の娘なの?なぜよりによって美咲なの?私たちと高橋家は絶対に相容れない敵同士なのよ、高橋恵のせいで……」

今や九条家の大奥様も高橋美咲を支持しなくなっていた。以前、大旦那様が美咲にあらゆる難癖をつけていた時、最初に偏見を捨てて美咲に好意を示したのは大奥様だった。だが、今やこのような関係になってしまい、もう美咲を好きだとは思えなくなっていた。

大奥様が言い終える前に、九条蓮が口を挟んだ。

厳しい表情で、「昔、四叔父と一緒に事故に遭った女性は美咲の母親だったんですね?」と尋ねた。

「それを知っていて、なぜまだあの女と一緒にいるんだ?私たち二人をわざと怒らせて殺す気か!」九条家の大旦那様は胸を押さえながら叫んだ。

九条蓮は困ったような表情を浮かべた。「お祖父様、僕も今日初めて知ったんです。」

もし高橋正人に言われなければ、きっと一生知ることはなかっただろう。知ったばかりで、まだ何も整理できていないうちに、すでに大旦那様に知られてしまった。

今はただ、正面から大旦那様の怒りを受け止めるしかなかった。

「最初は、お前が選んだ女が大した家柄じゃないと思っていた。それならそれで仕方ない。どれだけ不満でも、本人がしっかりしていれば目をつぶるつもりだった。だが、どうしてお前はそんなに選びが上手いんだ?よりによって高橋恵の娘を選ぶとは!」

「あの女は久遠を誘惑し、挙句の果てに事故を起こして、今も久遠は寝たきりだ。そうでなければ、私はとっくに家族団らんを楽しんでいたはずだ。なぜこの歳になってまで、九条家のために骨身を削らなければならない?」

「やっぱりな。私があの女を好きになれなかったのには理由があったんだ。私は理由もなく女を嫌うことはない。」

九条久遠もまた、九条家の中で最も優秀な後継者の一人だった。大旦那様はもともと久遠を次期当主として育てていたが、突然の不幸で、その優秀な男は十年以上も病院のベッドに伏したままだ。

そのことを思い出すたびに、大旦那様も大奥様も涙を浮かべていた。

年月が経つにつれ、二人の高橋家への憎しみは頂点に達していた。九条蓮が高橋家の人間と結婚したと知った時の衝撃は、美咲がただの名家の娘でなかったと知った時よりもはるかに大きかった。