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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 634 - まだもう一つ、あなたへの贈り物がある

Chapter 634

まだもう一つ、あなたへの贈り物がある

高橋良子は鋭い目で、高橋美咲が差し出した贈り物が高橋彩花のものとほとんど同じだと気づいた。ロゴもさっき高橋彩花が渡したものと全く同じでは?

さっきまで高橋彩花は皆から褒められ、それを利用して他の人たちを見下していた。

同じかどうかはともかく、高橋良子は高橋彩花が得意げな顔をしているのが我慢ならず、すぐに大きな声で言った。「まあ!美咲、あなたと彩花、考えることが同じだったのね。まさか二人ともお父様に安眠香を贈るなんて!」

高橋良子の声で、皆の注目が再び高橋家の大旦那様の手元の贈り物に集まった。

多くの人が何かに気づき始めた。

「あれ知ってる、紫雲先生の安眠香じゃない?」

「本当に彩花さんのと同じだ!」

その場の客の一人が驚きの声を上げると、皆の表情はさらに驚きに満ちたものになった。

高橋美咲も高橋家の大旦那様の手にある安眠香を不思議そうに見つめ、状況がよく分かっていない様子だった。

この贈り物は九条蓮が用意してくれたもので、さっき危うく持ってくるのを忘れそうになっていた。

そもそも高橋美咲は高橋家の大旦那様と深い絆があったわけではない。ただ贈り物で失敗しなければいいと考え、九条蓮が用意してくれたものなら間違いないだろうと信じていた。まさかこれが用意されていたとは思っていなかった。

高橋彩花は高橋美咲が高橋家の大旦那様に渡したものをじっくり見て、それが何か分かった瞬間、顔色が何段階も青ざめ、横に下ろした手をぎゅっと握りしめた。

その時、周囲のざわめきは止まず、誰かが違いに気づいた。

「あれ?でもおかしいよ。同じロゴだけど、色がちょっと違う!」

「え?どっちか偽物なの?」

「まさか、偽物を贈るなんて恥ずかしいことしないでしょ」

……

突然、品物に詳しい人物が口を開いた。「偽物じゃないよ。どっちも本物だ!」

皆が一斉にその人物に注目すると、それが元気な老人――高橋家の古い友人、渡辺老人だと気づいた。高橋家の大旦那様も彼の言葉なら信頼している。

誰かが興味津々で尋ねた。「渡辺さん、偽物じゃないって?じゃあ、なんで色が違うの?」

渡辺老人は言った。「紫雲先生の安眠香は青色で、弟子が作ったものは紫色なんだ。高橋美咲さんが贈ったのは青色。高橋彩花さんのは紫色だよ。」

皆が一斉に納得した表情を見せた。

そういうことか!

つまり高橋美咲が高橋家の大旦那様に贈った誕生日プレゼントは、紫雲先生が自ら作ったもので、高橋彩花が贈ったのはその弟子が作ったものだった。

そうなると、高橋美咲の贈り物はまさに値がつけられないほど貴重なものだ。

高橋彩花の贈り物は一気に平凡なものに見えてしまった。

渡辺老人は言った。「高橋さん、最近私が元気なのが不思議だったろう?全部、紫雲先生が自分で調合した安眠香を焚いてるからなんだ。おかげでよく眠れるし、食欲もあるし、すごく元気になったよ。」

その言葉を聞くと、周りの古い友人たちも一斉に口を挟んだ。

「そうそう。ずっと秘訣を聞いてたのに、このじいさん、絶対に教えてくれなかったんだよな」

「やっと真相が分かった。紫雲先生の安眠香だったのか」

「私も今度手に入れてみようかな」

渡辺老人は笑って言った。「無理だよ。紫雲先生は最近隠居してて、誰も注文を受けてくれない。今は弟子の作った香を使ってるけど、どうも安物の偽物を使ってる気がして落ち着かないんだ。」

そう言いながら、渡辺老人は高橋家の大旦那様の前にある二つの箱を見た。

「弟子の作った安眠香はしまっておいた方がいいよ。下手したら体に悪いかもしれないしね!」