Chapter 633
高橋美咲、華やかに登場
その言葉が終わるや否や、周囲の親族や友人たちが一斉に賞賛の声を上げた。
「なんてこと、紫雲先生のものだなんて!すごい!」
「彩花さんって本当にすごいわ。紫雲先生を招こうとしても無理だった人がたくさんいるのに、どうやって手に入れたのかしら?」
「高橋家の大旦那様は本当にお幸せですね。こんな孫娘がいて。」
……
周囲の声を聞きながら、高橋家の大旦那様はますます感激した様子だった。
高橋家の事業を高橋正人に託したのは間違いではなかったようだ。高橋彩花は女の子でありながらも優秀で、将来きっと大きな力になってくれるだろう。
彼は高橋彩花を慈しむような目で見つめ、「彩花は本当に気が利くな」と褒めた。
皆が高橋彩花を褒めそやすのを聞いて、高橋良子は顔色を曇らせ、拳をぎゅっと握りしめた。
さっき高橋莉良が苦労して手に入れたお守りを渡した時には、高橋家の大旦那様はこんな反応を見せなかった。ただ淡々と受け取っただけで、特に感動もなかったのだ。
それなのに、今度は高橋彩花が安眠のお香を贈っただけで、手放しで喜んでいる!
ふと視線の端に、高橋美咲と高橋莉良が入口から歩いてくるのが見えた。
高橋良子の顔がぱっと明るくなり、すぐに前に出て「お父様!もう一つ贈り物があります!」と声を上げた。
高橋良子が突然前に出たことで、皆の視線が一斉に彼女に集まった。
さっき高橋良子は高橋莉良の代理で誕生日プレゼントを渡したばかりではなかったか?
それはただの普通のお守りのようだったが、他にも何かあるのだろうか?
高橋良子は得意げに微笑み、「私の贈り物は後ろにいます」と大きな声で言った。
その言葉に従い、皆が後ろを振り向くと、高橋莉良と共に、上品な装いの若い女性が歩いてくるのが見えた。その女性は目を見張るほど美しく、清楚で洗練された雰囲気をまとい、誰もが思わず目を奪われた。
今日は高橋美咲が恥をかかないようにと、九条蓮が特別にスタイリストチームを手配していた。
今の高橋美咲はまさに輝いており、その美しさに場の誰もが息を呑んだ。
高橋美咲と高橋花が高橋美咲の姿を目にした瞬間、まるで体中の血が凍りついたかのようだった。
高橋美咲!
あ、あの子……どうして戻ってきたの?
高橋良子は高橋美咲と高橋花の驚愕した表情を見ると、言いようのない満足感を覚えた。
あの母娘、調子に乗ってたから当然よ!
一瞬の衝撃の後、会場ではざわめきが広がった。高橋美咲の登場は、周囲にさざ波のような囁きを巻き起こした。
「あの人誰?見たことないけど、すごいお嬢様っぽいわね」
「高橋莉良と一緒に歩いてるから、きっとすごく親しい人なんだろうね」
「もしかして高橋美咲?」
「まさか、違うでしょ?さっき高橋彩花が、高橋美咲はもう高橋家を出て戻らないって言ってたじゃない」
……
皆の驚きの視線を浴びながら、高橋美咲はゆっくりとした足取りで前へ進んだ。
そして高橋美咲は高橋家の大旦那様の前に立ち、手にしていた精巧な彫刻の箱を差し出した。口元に微かな笑みを浮かべて、「お祖父様、お誕生日おめでとうございます」と言った。
高橋家の大旦那様も、高橋美咲が再び現れるとは思っていなかった。
その濁った目は一瞬、高橋美咲の背後に留まり、じっと観察するような視線を向けた。
それから高橋家の大旦那様は高橋美咲を頭の先からつま先まで見渡し、最後にその顔に視線を定めた。その時になって初めて、目の前の少女が確かに自分の孫娘だと確信した。
高橋家の大旦那様は再婚しており、高橋美咲に特別な愛情を注いだことはなかった。
だが、嫌ったり遠ざけたりしたこともない。ただ淡々とした表情で高橋美咲から贈り物を受け取った。
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