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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 59 - 高橋正人との再会(続き)

Chapter 59

高橋正人との再会(続き)

九条悠真は満面の笑みで、「では東京でお待ちしています」と何度も繰り返した。

ますます自信を深め、当日は高橋正人の前でしっかりアピールしようと心に決めた。

「高橋さん、そろそろ時間です」と林健人が声をかけた。

「もうすぐフライトなので、これで失礼します」と高橋正人は言った。

九条悠真は丁寧に「お気をつけて」と見送った。

窓がゆっくりと上がり、車は九条インターナショナルを離れて、すぐに九条悠真の視界から消えていった。

高橋美咲が九条インターナショナルで用を済ませて戻ると、満面の笑みを浮かべた九条悠真と鉢合わせた。彼女は顔を曇らせ、気持ち悪いものを見るように横をすり抜けようとした。

だが九条悠真は彼女の前に立ちふさがり、手を伸ばして進路を塞いだ。

「九条悠真、何の用?」高橋美咲は冷ややかな目で睨みつけ、距離を取った。

「今日言ってた結婚の話、本当なのか?」

桜井奈緒からも確認は取れていたが、九条悠真の心はざわついていた。

彼は極度に虚栄心が強く、女性にちやほやされるのが大好きだった。高橋美咲が他の男と結婚するなんて、しかも自分を見下すような態度は到底受け入れられなかった。

高橋美咲は冷笑した。「あなたに嘘をついて何の得があるの?」

結婚しちゃいけない理由でもあるの?

馬鹿馬鹿しい。

「信じられない!君が結婚なんてありえないだろ!」九条悠真は眉をひそめ、強い口調で「じゃあ、その相手をここに呼んでみろよ」と言い放った。

もちろん高橋美咲は九条蓮を呼ぶわけにはいかなかった。

彼は自分の切り札なのだ。今ここで九条悠真に見せてしまったら、桜井奈緒と九条悠真の婚約のときに使う手がなくなってしまう。

高橋美咲は九条悠真を嘲るように見つめた。「あなたに信じてもらう必要なんてないでしょ?もう別れたんだから、私が結婚しようがしまいが関係ないはずよ。」

「お前……」

九条悠真の目には疑念が浮かんだ。高橋美咲が話をはぐらかすほど、何か裏があるように思えてならず、ますます嘘だと確信した。

たとえ桜井奈緒が高橋美咲と男を見たと言っても、信じる気にはなれなかった。

もしかしたら高橋美咲は、わざと引いて自分の気を引こうとしているのかもしれない。

九条悠真はすぐに冷静さを取り戻した。傲慢で自信満々な表情を浮かべて、偉そうに言った。「高橋美咲、こんなことしたって俺が後悔すると思うなよ。無駄なことだ。」

高橋美咲は、呆れてしまった。

我慢強く、「へえ、ちょっと気になるんだけど、私が一体何をしたっていうの?」と尋ねた。

「わざと結婚してるふりして、俺を焦らせて後悔させようとしたんだろ?」九条悠真はすべてを見抜いたような顔で、高橋美咲を見下し、軽蔑と嘲り、そして少しの得意気さを滲ませていた。

この男が、まるで世界中が自分なしでは生きていけないかのような態度を取るのを見て、高橋美咲は思わず平手打ちしたくなる衝動をこらえた。

耐えた!

手はまだ怪我している。殴ったら悪化するだけだし、そんな価値もない。

九条悠真は鼻で笑った。「忠告しておく。もう茶番はやめろ。今さら後悔して俺にすがりつきたくなっても、俺だってよく考えてからじゃないと無理だからな!」

高橋美咲はもう聞いていられなかった。九条悠真はどこからそんな自信が湧いてくるのか。

彼女は眉をひそめて「やめて!」と言った。

「あんたとそんなに長く知り合いだったけど、まさかここまで自己愛が強いとは思わなかった。自分にGPSでもつけてるの?自分の位置、わかってる?」高橋美咲はうんざりした様子で、「もう一度だけ言うけど、私はあんたに全く興味ないから。できるだけ遠くに行って!」と吐き捨てた。

かつて九条悠真に心を動かされた分、今はそれ以上に嫌悪感でいっぱいだった。