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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 540 - 九条家の大旦那様と大奥様を訪ねて

Chapter 540

九条家の大旦那様と大奥様を訪ねて

九条蓮と高橋美咲の姿を見て、九条家の大奥様の笑顔は絶えなかった。顔の皺もさらに深くなったように見える。二人を見つめながら、「さあ、早く中に入りなさい。お祖父様がずっと待ってるわよ」と微笑んだ。

そのまま九条蓮は高橋美咲の手を取り、中へと案内した。

九条家の大旦那様は椅子に座っていた。美咲と蓮が入ってくる音がしても、顔を上げようとしない。

「お祖父様、来ましたよ」と九条蓮が声をかける。

高橋美咲も横で呼びかけた。

九条家の大旦那様は、蓮が会いに来てくれて嬉しいのに、いつも通り厳しい表情を崩さない。それを見て九条家の大奥様は思わず、「まあまあ、蓮が来てくれたのに、どうしてそんな怖い顔してるの?」と声をかけた。

そこでようやく九条家の大旦那様は小さく鼻を鳴らし、ちらりと二人に目を向けた。

九条蓮は高橋美咲の手を引き、家の中の椅子に座らせた。

明おじさんは口が軽くてすぐにバレてしまうので、九条家の大奥様はすでに彼を外に出していた。

家の中で二人の世話をしているのは、そばに立つ安藤さんだけだった。高橋美咲と

九条家の大奥様は高橋美咲を見て、「美咲ちゃん、何が食べたい?お祖母様が今から市場に行って買ってきてあげるわ」と声をかけた。

「私は好き嫌いありません。何でも大丈夫です」九条家の大奥様の優しい態度に、高橋美咲も柔らかく可愛らしく応じた。

九条家の大奥様は長年贅沢な暮らしに慣れていて、自分で市場に行くなんて十年以上なかった。ましてやこんな田舎の小さな市場には一度も行ったことがなく、九条家本邸ではいつも料理人が買い物をしていた。今こうして自分で市場に行く機会ができ、内心少しワクワクしていた。

「安藤さん、一緒に行きましょう。二人で市場に買い物に行きましょうね」

高橋美咲は一瞬ためらったが、「お祖母様、私も一緒に行っていいですか?」と尋ねた。

実のところ、九条のお祖父様の存在感があまりにも強すぎて、高橋美咲は特に怖いわけではないが、同じ空間にいるとやはり少し気まずかった。九条家の大奥様が出かけるのを見て、つい一緒に行きたくなったのだ。

高橋美咲が同行するなら、九条家の大奥様が断るはずもない。「もちろんよ!」とすぐに答えた。

高橋美咲は九条蓮に「じゃあ、お祖母様と一緒に買い物に行ってくるね」と伝えた。

九条蓮は高橋美咲と九条のお祖父様がうまくいっていないことを知っていたし、彼女に無理をさせたくなかったので、うなずいて「うん。気をつけて行ってきて」と言った。

こうして高橋美咲と九条家の大奥様は連れ立って出かけていった。

二人が出て行くと、家の中には九条のお祖父様と九条蓮だけが残った。もちろん九条のお祖父様には、高橋美咲が自分を避けていることが分かっていた。彼は不機嫌そうに鼻を鳴らし、「まったく、肝っ玉が小さい。これじゃあ家の女主人の器じゃないな!」とぼやいた。

それを聞いた九条蓮は、口元にわずかに笑みを浮かべた。「お祖父様、美咲がもう少し肝が据わっていたら、それが家の女主人の器ってことですか?」

「当たり前だろう?九条家の女主人たるもの、まずはどんな時でも動じないことが…」九条のお祖父様は自信満々に話し始めたが、ふと自分が九条蓮の誘導に乗せられていることに気づき、表情が固まって言葉を飲み込んだ。

このガキめ!

まさか自分に高橋美咲を家の女主人と認めさせようとするとは!

九条蓮は九条のお祖父様の気まずさを指摘せず、ただ静かに「お祖父様、美咲は本当にいい子ですし、能力も十分あります。どうか先入観を捨ててあげてください」と言った。

それを聞いた九条のお祖父様は、軽蔑の色を目に浮かべて「どう見ても大したことない」と吐き捨てた。