Chapter 498
高橋美咲、あんたにもこんな日が来るなんてね(続き)
高橋美咲を見下ろしながら、桜井奈緒の目は次第に赤くなり、歯を食いしばって言った。「高橋美咲!あんたが私をめちゃくちゃにした!全部失わせたのはあんたよ。私をこんな目に遭わせた張本人、絶対に許さない!」
そう言うと、桜井奈緒は完全にヒステリックになった。
自分の全てを高橋美咲に壊された。そんなこと、到底受け入れられるはずがない。
本来なら、世間から蔑まれ、全てを失うべきは高橋美咲のはずだったのに。
桜井奈緒の言葉を静かに聞き終えた高橋美咲は、冷笑を浮かべて桜井奈緒を見つめた。「私があんたをこうしたって?笑わせないで。もともと全部あんたのものじゃなかった。九条悠真は元々私の彼氏だったし、奪ったのはあんたの方よ。私があんたをめちゃくちゃにしたなんて、筋が通らないわ」
「それに、高橋家の令嬢の座だって、あんたは私になりすまして九条悠真と一緒にいたかっただけ。でも本当の高橋家の令嬢は私。どの口で私のせいだなんて言えるの?」
高橋美咲は桜井奈緒を嘲るような目で見つめ、ひとつひとつ事実を突きつけた。
「うるさい!黙れ!」桜井奈緒の目は血走り、恐ろしい言葉が口から飛び出す。「全部あんたのせいよ!高橋美咲、その顔を切り刻んでやる。これで男を誘惑できなくしてやる!」
桜井奈緒はまるで取り憑かれたように、全身から狂気と凶暴さを放っていた。
冷たい笑みを浮かべると、突然バッグから得体の知れない液体の入った瓶を取り出し、高橋美咲に言い放つ。「それだけじゃない。あんたにも屈辱を味わわせてやる。誰にでも抱かれる女にしてやる!」
桜井奈緒と柏木健人の動画が流出してから、彼女の評判は地に落ちた。
今や味方はほとんどいない。
そんな現実が彼女を狂わせ、高橋美咲をどうしても破滅させたいという執念だけが残っていた。
高橋美咲は桜井奈緒の手にある液体を警戒しながら見つめた。どうせろくなものではないと分かっている。
だが今の彼女には全く力が入らない。抵抗することもできず、体を動かすことすらできない。これでは桜井奈緒が近づいてきても避けようがなかった。
桜井奈緒は高橋美咲の顎をつかみ、無理やり口をこじ開けて、その液体を流し込んだ。
高橋美咲は激しく嘔吐しそうになったが、なんとか飲み込んだ。
咳き込みすぎて目は真っ赤になり、顔もむせて真っ赤に染まっていた。見るからにみすぼらしい姿だった。
そんな高橋美咲を見て、桜井奈緒は得意げに頭を反らして笑った。「高橋美咲、これからお前は思い知ることになるのよ!誰も助けになんて来ないわ。せいぜい楽しみなさい。」
高橋美咲はしばらくしてようやく落ち着きを取り戻し、無理やり気持ちを静めた。
冷静にならなければ、逃げ出す方法も考えられない。
桜井奈緒は手に持っていたボトルを投げ捨て、スマートフォンを取り出して番号を押した。「今すぐ来て。高橋美咲をしっかり“おもてなし”してやって。あの女があなたの前で土下座して、汚らしい女みたいに許しを乞うまでね。」
通話を終えると、桜井奈緒は高橋美咲の繊細な顔をじっと見つめた。
その瞳には、すべてを壊したいという衝動がじわじわとあふれてきた。
高橋美咲はあまりにも美しかった。昔からずっと美人で、男たちはみんな彼女に夢中だった。誰もが彼女を追いかけていたのだ。
突然、桜井奈緒はバッグから折りたたみナイフを取り出し、凶暴な勢いで高橋美咲に襲いかかった!
その瞬間、高橋美咲の体は力が入らず、まったく抵抗できなかった。ただ桜井奈緒が突進してくるのを呆然と見つめるしかなかった。瞳孔が一気に縮み、全身が硬直する。今日こそ本当に終わりだと思った。
その危機一髪のとき、誰かが突然駆け寄り、桜井奈緒を横から突き飛ばした。桜井奈緒は叫び声を上げて床に激しく倒れ込んだ。
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