Chapter 487
責任者選考
学歴だけでも、すでにふるい落とされてしまう。
皆が嘆く中、何人もの参加資格が取り消された。加藤千尋さえ例外ではなく、悔しさに歯ぎしりした。最後に残ったのは五、六人ほどで、当然、高橋美咲と柳小路もその中にいた。
あれこれ対応しているうちに、すでに時間は遅くなっていた。
九条蓮は言った。「第二次選考は明日行います。皆さん、十分に準備してください」
帰ろうと身を翻すと、高橋美咲のそばへ歩み寄り、低い声で言った。「仕事が終わったら、入り口で待っている」
そう言うと、九条蓮はそのまま立ち去った。
去っていく九条蓮の後ろ姿を見ながら、高橋美咲の耳には、先ほどの言葉がまだ響いているようだった。
今の二人には、禁断の社内恋愛のような感覚があった。以前、仕事へ戻るか迷っていた頃は、毎日九条蓮に会えていた。まさか今、この感覚が意外なほど心地よいとは思わなかった。
翌日、第二次選考が始まった。
九条蓮が再びやって来た。
今回、彼は残った候補者たちに、統率力と商才を示してもらうと発表した。メゾン・ヴェルヌは設立されたばかりで、業界での知名度も影響力もまださほど高くないため、提携先を見つける必要があった。
第二次選考の課題は、残った応募者が有名ジュエリー企業のベルタへ赴き、提携交渉を行うことだった。ベルタの評価を得て、見事に提携を成立させた者が、第二次選考の勝者となる!
高橋美咲が席に戻ると、森川茉莉がすぐそばへ寄ってきた。「高橋部長、ベルタはご存じですよね?」
「もちろん知っているわ」
高橋美咲は一時期ジュエリー業界から離れていたが、ベルタほどの老舗大手ブランドを知らないはずがない。デザイン業界では名高く、特別な地位を占めるブランドだった。
少し前、高橋美咲もベルタが提携先の募集を公表し、各社からの商談を受け付けていることに気づいていた。
まさか、今回のメゾン・ヴェルヌの選考課題がこれになるとは思わなかった。
高橋美咲は少し考えてから言った。「私の知る限り、ベルタの創業者である倉本隆氏は、気難しい人よ。提携交渉とはいっても、簡単にはいかないでしょうね」
森川茉莉はうなずいた。「はい。ベルタほど名が通っているだけに、倉本隆氏はかなり気性の激しい人だそうです。本社が今回出した課題で、相当な人数がふるい落とされそうですね」
責任者の座を争うのが容易でないと分かってはいたが、第二次選考はあまりにも難しかった。
森川茉莉は、高橋美咲にとってもかなり厳しい試練になると感じた。
だが、高橋美咲はとても前向きだった。唇をわずかに上げて笑った。「行ってみなければ分からないわ。運に恵まれるかもしれないでしょう」
森川茉莉はため息をつき、気落ちした様子で言った。「さっき聞いて回ったんですが、ベルタは東京への進出を計画していて、提携募集を出してから多くの企業が名乗りを上げているそうです。今では10社近くがベルタを狙っています。メゾン・ヴェルヌには九条インターナショナルがついているとはいえ、私たちは業界の新参者です。長年この業界でやってきた企業には及ばないかもしれません」
それを聞いても、高橋美咲はあまり気にしなかった。笑顔で言った。「そうね。でも、思いがけない時にチャンスは訪れるものよ。前向きでいなくちゃ」
高橋美咲の言葉を聞くと、森川茉莉の不安も次第に静まった。
まだ始まってもいないのに、自分で勝手に壁を作っていた。余計な心配だったのだ。
やはり高橋美咲のほうが、心の持ち方がしっかりしている。
高橋美咲はいつもそうだった。周りの状況に惑わされることがない。最後の瞬間まで、結果がどうなるかなど誰にも分からないのだ。
そう思うと森川茉莉も笑顔になり、高橋美咲を見て言った。「高橋部長、さっき言い忘れていました。一次審査通過、おめでとうございます!」
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