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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 480 - 彼は脅威にならない(続き)

Chapter 480

彼は脅威にならない(続き)

心の中では文句を言いながらも、水城圭介は諦めて病院へ急ぎ、九条蓮の指示を待つしかなかった。

九条家本邸。

皆が見守る中、控えめながら高級感のある車がゆっくり門の前へ止まり、全員がたちまち気を引き締めた。

自動ドアが開き、すぐに誰かが前へ出て、九条会長が車を降りるのを手伝った。

九条家の若い世代に交じって立つ九条悠真は、首を伸ばし、前方を必死で見ていた。九条会長が見えると、その目に暗い光が走った。

九条会長が戻ったということは、九条蓮もすぐ後ろにいるはずだ!

今から九条蓮に会える!

その時、スーツのズボンに包まれた脚が車内から伸びた。九条悠真はいっそう緊張し、呼吸さえ止まったようだった。

だが次に目の前へ現れたのは、水城圭介の顔だった。

水城圭介を見た瞬間、九条悠真の目には驚き、失望、疑念など、さまざまな感情が浮かんだ。信じられず、目を大きく見開いた。

この男が九条蓮?

なぜ高橋美咲のそばにいた、あのヒモの美男子じゃない?

まさか自分の調査は、本当に間違っていたのか?

九条悠真の衝撃に満ちた表情を見て、九条凛は心の中で笑わずにいられず、危うく吹き出すところだった。

どうやら自分の推測は当たっていた。九条悠真は本当に、兄の身分をこっそり調べていたのだ。早く気づいてよかった。そうでなければ、すべて終わっていたかもしれない。

九条会長を見ると、皆は一斉にその周りへ集まり、体調を気遣う言葉を口にした。

九条会長が入院していた二日間、見舞いに行けなかった者もいた。今こそ忠誠心を示す絶好の機会だった。

四方八方から挨拶を受けても、九条会長はわずかにうなずいただけだった。

それから人々に囲まれ、ゆっくり中へ入っていった。

皆が完全に散った後も、九条悠真は呆然とその場に立ち、動かなかった。まだ車内に降りていない二人目がいるのではないかと車へ目を向けたが、そこにはもう誰の姿もなかった。

どうやら本当に、自分の推測は間違っていたらしい。あの美男子は九条蓮ではなかった!

……

その日、高橋美咲は病院へ行き、一日中、高橋恵に付き添った。

最近、高橋恵の顔色がかなり良くなったのを見て、高橋美咲はすべてが良い方向へ進んでいると感じた。遅かれ早かれ、母は必ず目を覚ます!

九条会長が退院したことは知らなかった。ずっと病室にいたため、九条蓮たちと出会うこともなかった。

だが黒川善は少しの間、顔を出した。九条会長が退院したことを知っていたが、高橋美咲には何も言わなかった。

高橋美咲と九条蓮が一緒に過ごす機会を、わざわざ作るはずがない。

「お粥、私は明日、東京へ戻るの。この間、母のことをお願いね。しばらく忙しい時期が終わったら、また会いに来るから」

高橋美咲の言葉を聞き、黒川善はわずかに口元を上げた。

その時、高橋美咲が戻ってくる。最初から、それこそ彼の望んでいたことだった。

「心配するな。俺がいるんだから、恵おばさんは絶対に大丈夫だ」黒川善は約束した。

高橋美咲は彼を信じていた。感謝を込めて見つめ、言った。「これから機会があったら、必ずちゃんと恩返しするね」

黒川善は少し不満そうにつぶやいた。恩返しとして望んでいるのは、自分と一緒になることだ。

だが構わない。まだ機会はいくらでもある。

黒川善は少し目を暗くし、意味ありげに言った。「もし、いつかあの男が君を大切にしなかったら、俺のところへ戻ってくることを忘れるな。君のために、俺が立ち上がる」

高橋美咲は思わず笑い、信頼と確信に満ちた口調で言った。「考えすぎよ。彼は本当にいい人だもの。私を大切にしないはずがないでしょう?」