Chapter 468
九条会長を見舞う決意
高橋美咲は九条蓮の胸に顔を埋め、ますますどうしていいか分からなくなった。
では、先ほど彼女と九条悠真が話したことを、聞かれたのか、それとも聞かれていないのか。九条家軽井沢別邸で彼女と九条悠真の間に起きたことを知られたら……。
そもそも二人の結婚は奇妙な始まり方をしており、今もまだそれほど固い絆で結ばれているわけではない。ほんの少し嵐が吹けば、いつでも引き裂かれてしまうかもしれなかった。
突然、高橋美咲はもう一度気力を奮い起こした。
違う! 九条悠真ではない可能性だってある。
九条家軽井沢別邸の所有者が誰なのか、彼女はいまだに突き止めていない。確かな証拠が出るまでは、九条悠真だと信じるつもりはなかった。
こんなふうに自分を慰め、自分を欺くのは間違っていると、高橋美咲にも分かっていた。
だが、このわずかな希望すら持てなければ、心が完全に壊れてしまいそうだった。
九条蓮の力強く安定した鼓動を聞くうちに、高橋美咲の取り乱した心は次第に落ち着いていった。今もこうして、嫌悪のかけらも見せず彼女を抱きしめているのだから、おそらく九条悠真の言葉は聞かれていないのだろう。
「少しは落ち着いたか?」九条蓮が尋ねた。
そこでようやく高橋美咲は我に返った。彼の腕の中から顔を上げて見つめた。「九条蓮、お祖父様はどう?」
「もう大丈夫だ。まだ怒る元気があるくらいだから、健康そのものだ」
九条のお祖父様が実際に怒っていたと聞き、高橋美咲はすぐにあることへ気づいた。
彼女の顔が青ざめた。「私のせいだったの?」
その時、高橋美咲の頭の中は混乱しており、早々に帰ったことをかすかに後悔していた。
九条蓮のお祖父様にそこまで嫌われているのなら、彼女と九条蓮はこれからも一緒にいられるのだろうか?
高橋美咲が落ち込んでいるのを感じ、九条蓮は柔らかい声で言った。「美咲、重く受け止める必要はない。お祖父様が俺の決断に影響を与えることはない。俺たちはもう婚姻届を出し、夫婦になっている。誰にも変えられないことだ」
彼は高橋美咲を安心させていた。外からどんな圧力を受けても、何一つ変えるつもりはないと伝えていた。
高橋美咲は、彼が法的に娶った妻だ。それは決して変わらない事実だった。
彼の言葉を聞き、高橋美咲の胸に感情が込み上げた。
突然、罪悪感が湧いてきた。先ほど病院から慌てて逃げるように帰った判断は、本当に間違っていた。実のところ、彼女は自分のせいで嫌われたら、九条蓮に見捨てられるのではないかと恐れていただけなのだ。
しばらくして、高橋美咲は尋ねた。「お祖父様は、まだ病院にいるの?」
九条蓮は答えた。「ああ。二日ほど経過観察で入院する」
高橋美咲は軽く唇をかみ、決意した。「それなら明日、お見舞いに行くわ」
九条蓮のお祖父様が彼女に不満を持っていても、二人は今や夫婦だ。遅かれ早かれ、九条のお祖父様と向き合わなければならない。怖いからといって逃げるわけにはいかなかった。
九条蓮は優しく答えた。「分かった。俺も一緒に行く」
その晩、二人は高橋美咲のマンションに泊まった。
ここのベッドはかなり小さく、二人で身を寄せ合って寝るしかなかった。高橋美咲は気にするどころか、九条蓮の腕の中でとてもよく眠った。
一方、九条蓮は徹底的に苦しめられた。
何度となく、高橋美咲を自分の下に押し倒したくなった。だが以前、彼女に拒まれたことを思い出し、そのたびに自制した。
腕の中で穏やかに眠る高橋美咲を見ながら、以前ほど強く拒まれてはいないと感じた。九条凛が言ったように、高橋美咲と過ごす時間を増やせば、少しずつ警戒を解いてくれるのかもしれない。
九条蓮は顔を伏せ、彼女の額へそっと口づけた。
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