Chapter 451
本当の幼なじみ
いい知らせは、兄の恋敵が一人増えたわけではないこと。悪い知らせは、兄にとてつもない強敵ができたことだ!
黒川善は今、大阪で最も急速に地位を高めている男だった。名声は兄や神谷海斗に追いつこうとしている。この恋敵は、簡単には片づけられそうにない。
九条凛は辺りを見回し、九条蓮が一体どこに隠れているのか探した。
どれだけ見回しても九条蓮は見つからない。しかも皆の注目は黒川善に集まり、高橋美咲まで彼の方を見ている。九条凛はとうとうスマホを取り出し、九条蓮へメッセージを送った。
「兄さん!どこに隠れてるの?大変だよ!あの黒川善こそ、美咲の本当の幼なじみだった!」
送信してから長い間、返信はなかった。それでも九条蓮が必ず読むと、九条凛には分かっていた。
その頃、別邸の監視室では――
九条蓮はモニター越しに外の様子を見ていた。スマホが震え、九条凛からのメッセージが届いた。
内容を開くと、九条蓮の表情は冷たく暗くなった!
先ほど黒川善が誕生日宴へ来たと知った後、彼を呼んで話をし、例外として祖父の体を診てくれないかと頼んだ。だが黒川善は、その頼みを断った。
黒川善と高橋美咲の間に、こんなつながりがあるとは夢にも思わなかった!
どうやら水城圭介の調査も、完全ではなかったらしい。これほど重要なことを見落とし、何の準備もできないままにさせたのだ!
九条会長も最初は、黒川善を招いたのが佐伯葉月だと思っていた。
そのため佐伯葉月への印象は、たちまちさらに良くなった。自分が黒川善を探しているのに、まったくつてがないと察し、助けるために動いてくれたのだろうと考えた。
佐伯葉月がどんな方法を使ったのかは分からない。それでも彼女のしたことは、九条会長の大きな悩みを一つ解決した。
これほど人の心を読み、細やかで優秀な女なら、きっと将来、九条蓮を支え、九条家の女主人を立派に務められるだろう。
九条会長は少し得意げに、九条家の大奥様へ見せつけるように言った。「あの女が招いた医者には診てもらわん。葉月が黒川家の当主を招いてくれたのだ。他の者など相手になるものか!」
九条会長の得意満面な顔を見て、九条家の大奥様は思わずため息をついた。
結局、彼女は何も言わなかった。
黒川善の医術が本当に優れているのは確かだ。九条会長を診てもらうこと自体は、悪いことではない。高橋美咲が好意で動いてくれたことは、自分が分かっていればそれでよかった。
九条会長の満足そうな表情を見て、佐伯葉月はようやく完全に安心した。
彼女は佐伯大輔と一緒に九条会長へ歩み寄り、笑顔で言った。「九条会長が、ずっと黒川家の方に診てもらいたがっていたことは存じています。黒川家の当主をお招きするため、本当に苦労しました。お体のためにも、もう意地を張ってはいけませんよ。でないと大奥様が心配なさいます」
その諭し方は心から気遣っているように聞こえ、九条会長も当然、反論しなかった。
何度もうなずいて言った。「よし、よし、よし!葉月が招いた医者なら、もちろん診てもらおう」
九条会長がこれほど素直に従うのを見て、佐伯葉月の表情はいっそう得意げになった。
やや誇らしげに高橋美咲へ目を向け、申し訳なさそうな顔で言った。「高橋さん、あなたの手柄を奪ってしまって、本当にごめんなさい。ただ黒川家の当主は、なかなかお招きできる方ではないんです。あなたの努力は無駄になってしまったようですね」
佐伯大輔も得意満面で、誇らしげに言った。「葉月は黒川家の当主を招くため、大変な苦労をした。だから他の腕の悪い医者にまで、ご老人が我慢して診てもらう必要はない!病気が治らないばかりか別の問題まで起きれば、それこそ割に合わんからな」
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