Chapter 430
黒川家を巻き込め(続き)
その直後、九条家の大旦那様は九条家の大奥様が高橋美咲に「明日は私の誕生日会だから、ぜひ来てちょうだい」と温かく招待しているのを聞き、唇をきゅっと結んだ。
「会長、九条家の大奥様が高橋美咲さんを誕生日会に招待されました。何かご指示は?」
明さんは九条蓮を手助けしたこともあったが、やはり九条家の大旦那様の側に仕える者であり、その忠誠心は当然ながら九条家の大旦那様に向いていた。
九条家の大旦那様は、その話を聞くと目を細めた。
しばらくしてから、ゆっくりと手を上げて言った。「いい、来させてやれ。その方が自分と名家のお嬢様との格の違いを思い知るだろう!」
九条家の大旦那様は、佐伯家との縁談を発表した後であれば、高橋美咲も自分から身を引いて九条蓮のもとを去るだろうと考えていた。そうなれば、余計な手間をかけずに済む。
「明おじさん、行こう。」そう言って九条家の大旦那様は立ち上がり、その場を後にした。
その頃、高橋美咲と九条家の大奥様はまだ談笑しており、九条家の大旦那様が盗み聞きしていたことなど全く知らなかった。
「美咲さん、さっきは言わなかったけど、来てくれないかと思って心配だったの。お祖母様はあなたにぜひ来てほしいのよ。」九条家の大奥様は期待に満ちた表情で高橋美咲を見つめた。
高橋美咲は、こういう頼みごとにはとことん弱い。断れるはずがなかった。
だから彼女はうなずいて「わかりました。明日行きます」と答えた。
「よかった。前に送った住所よ。着いたら電話してね。」
九条家の大奥様は、九条家の大旦那様が高橋美咲を止めさせるのではと心配し、念のため先に伝えておいた。いざとなれば自分が直接連れて入るつもりだった。あの人がどう出るか見ものだと思っていた。
「うん、わかりました。」
九条家の大奥様はそう言って立ち上がり、高橋美咲に別れを告げて去っていった。大奥様がいなくなってからようやく、高橋美咲はさっきの話をしっかりと理解した。
えっ、うそでしょ!
九条蓮のお祖母様の誕生日?
なんでこんな急なの!全然準備できてない。手ぶらで誕生日会に行くなんて、失礼すぎるよね?どうしてもプレゼントは用意しなきゃ!
でも、あと半日しかないのに、どこでちょうどいい誕生日プレゼントを見つければいいの?
高橋美咲は、思わず髪をかきむしりたくなった。
手元にあるお金といえば、前に指輪を売ったときの残りくらいで、まあまあの物なら買えるはず。
でも、何を買えばいいのかが一番の悩みだった。
結局、高橋美咲はまず見て回ることに決め、荷物を持ってショッピングモールへ向かった。
…
その頃、水城圭介も大阪に到着し、九条蓮のもとで雑務の引き継ぎをしていた。
水城圭介は九条蓮のそばに恭しく立ち、「九条さん、黒川家にはすでに連絡しましたが、やはり丁重に断られました。順番待ちに入れてはくれましたが、時期が来たら大旦那様の診察に伺うとのこと。どうにもならないそうです」と報告した。
九条蓮は眉をひそめた。
水城圭介は深く息をついた。九条家にここまで強気で出る相手は初めてで、よくもまあ顔を潰せるものだと感心した。
黒川家は大阪でも中堅クラスに過ぎないのに、随分と気が強い。
だが、ふと思い出して「それと、九条家の大奥様の誕生日会で、ご自身が既婚者だと発表されるつもりなんですか?かなり話題になりますよ」と尋ねた。
何しろ九条蓮は九条ホールディングスの後継者。誰もがその結婚相手に注目している。
九条蓮は水城圭介を見上げて「何か問題でも?」と静かに言った。
その冷たい視線に水城圭介は身震いし、すぐに首を振った。「いえ、問題ありません。高橋さんの痕跡はすべて消して、記者が彼女に詮索できないようにします。」
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