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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 412 - 泣いて許しを請う羽目にならないように(続き)

Chapter 412

泣いて許しを請う羽目にならないように(続き)

水城圭介の加藤千尋への叱責に、場の全員が驚愕した。

誰もが自分の耳を疑ったほどだった。

九条社長が加藤千尋に「黙れ」と言ったのか?

加藤千尋もその場で固まった。水城圭介の厳しい表情を見て、まるで雷に打たれたような顔になり、さっきまで高橋美咲に浴びせようとしていた嘲りの言葉も喉元で消えた。

しばらくしてようやく我に返り、柳小路に問いかけるような視線を送った。

その目は「どういうこと?」と柳小路に問いかけているようだった。

なぜ九条社長が高橋美咲を助けているのか?

水城圭介は他人の目など気にしていられなかった。ただ、高橋美咲を怒らせてはいけないということだけは分かっていた。

彼は高橋美咲に丁寧に言った。「高橋さん、今回の下絵の重大なミスについては、必ず厳正に調査しますので、ご安心ください。無実の人を軽々しく罪に問うことはありません。」

「……」高橋美咲は呆然とした。

どういうこと?

九条社長が柳小路を助けないなんて思ってもみなかった。今の口ぶりだと、公平に対処するつもりなのだろうか?

だが、よく考えれば納得できた。柳小路が九条社長の恋人でも、九条ホールディングスのトップともなれば、私情で自分の評判を落とすわけにはいかない。

高橋美咲の九条社長への印象は一気に良くなった。

もしかしたら、自分の潔白も証明してくれるかもしれない。

高橋美咲は目を細めて探るように尋ねた。「もし私が潔白を証明できる証拠を持っていたら、黒幕を罰してくれますか?」

この件が柳小路の仕業だと分かっていても、九条社長が彼女を罰するとは期待していなかった。公平に扱い、潔白を回復してくれれば、それだけで十分だった。それ以上は望みすぎだ。

水城圭介はうなずいた。「もちろんです!九条インターナショナルは私情で法を曲げるような会社ではありません。」

その言葉を聞いた柳小路の顔は、背後で真っ青になった。

まさか九条社長が高橋美咲を助けるとは思いもしなかった。何がどうなっているのか問いただしたかったが、大勢の前で恥をかきたくなくて、怒りを必死に飲み込むしかなかった。

加藤千尋は、九条社長が柳小路にすら顔を立てないのを見て、信じられない様子で「九条社長……」とつぶやいた。

水城圭介は彼女たちを無視し、高橋美咲に不思議そうに尋ねた。「高橋さん、本当に潔白を証明できる証拠があるのですか?」

高橋美咲は涼しい目でうなずいた。「もちろんです!」

そう言うと、隣の森川茉莉に「森川さん、毎日録画してって頼んでたやつ、スマホで開いて」と指示した。

その言葉を聞いて、森川茉莉の顔から困惑と焦りが消え、驚きと興奮に変わった。

そうだ!

危うく忘れるところだった。高橋美咲は以前から、下絵の修復作業を毎日録画するように頼んでいて、そのすべてをサブアカウントに投稿していたのだ。

森川茉莉も下絵が改ざんされているのを見ていたが、焦っていたせいでそのことをすぐには思い出せなかった。

当時はなぜ高橋美咲がそこまで記録にこだわるのか不思議だったが、今思えば、彼女は万が一に備えていたのだ。

高橋美咲は本当に先を見据えていた!

森川茉莉はもう何も言わず、すぐにスマホを取り出して記録を残していたサブアカウントを開いた。

次に、皆は森川茉莉のサブアカウントにある動画を目にした。

そこには高橋美咲の修復作業の全工程が、細かく記録されていた。地味で長い作業だったが、偽りは一切なかった。

森川茉莉は大きな声で言った。「高橋取締役と私が作品を修復していたとき、毎日ビデオを撮影していました。修復の全過程がここに、無編集で残っています。これが私たちの潔白の証拠です。だから、最終的な作品が高橋取締役が作ったものと違うのは明らかです!誰がやったのか、もう皆さんもよく分かっているはずです!」