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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 407 - 作品に問題が発生した

Chapter 407

作品に問題が発生した

なぜか、最初に頭に浮かんだのは柳小路側で何かが起きたのではないかということだった。

森川茉莉は今にも泣き出しそうなほど不安で、震える声で言った。「前に柳小路の作品を修復したじゃないですか?あの作品に今、問題が起きたんです!」

「作品に何があったの?」

高橋美咲は森川茉莉よりもずっと落ち着いていた。もともと心の準備ができていたからか、まったく動揺していなかった。

森川茉莉が次に何を言うのかまだ聞いていなかったが、高橋美咲にはすでにぼんやりとした予感があった。

自分の手を通った作品に問題が発生した――

ふん、こんなこと、もう慣れっこだ。

高橋美咲の表情が曇り、過去の記憶がゆっくりと蘇る。

高橋グループにいた頃も、同じようなことが起きた。ただ違ったのは、その時の下絵は自分の手によるものでありながら、有名な巨匠の作品と偶然一致してしまったことだ。最初はただの偶然だと思っていたが、その巨匠が証拠を出してきた。

本当に自分よりも早くその作品を完成させていたのだ。

その後に起きたことは予想通りだった。高橋正人は彼女を停職処分にし、自宅待機を命じた。そして大切な義妹がその代わりとなり、今では高橋グループの責任者になっている。

高橋美咲はその出来事を思い出すたびに、今でも胸が重くなる。

だが今は、冷静に向き合えるようになっていた。

もしかしたら、時が傷を癒やし、もうそれほど気にしなくなったのかもしれない。

高橋美咲は思考を現実に引き戻し、皮肉を込めて言った。「その作品にどんな問題が出たの?まさか盗作がバレたとか言うんじゃないでしょうね。」

森川茉莉はそれを聞いて、高橋美咲を驚いたように見つめた。「高橋取締役、どうして分かったんですか?」

少し間を置いて、すぐに続けた。「柳小路の作品が、業界の巨匠の作品を盗作したって突然暴かれたんです。それで今、柳小路は「下絵を修復したのは高橋さんだ」って言い出してて……つまり盗作したのは高橋さんだって。どうしましょう?もしこれが本当になったら、私たち終わりです!」

この業界で最悪の事態が何か、森川茉莉にも分かっていた。

デザインに携わる者にとって、まさに一番恐ろしい事態だ。

対応を誤れば、名誉もキャリアもすべて失いかねない。

今や高橋美咲の将来がかかっている。潔白を証明できなければ、すべてが終わってしまうかもしれない。

高橋美咲は心の中で冷笑した。この手口、見覚えがありすぎる。高橋グループ時代にも、まったく同じことをやられたのだ。そして今また、同じ手を使われている。

本当に素晴らしいことだ。

幸いにも、あの時から柳小路が何か仕掛けてくると予感していた。

だがまずは、実際に何が起きているのか見に行く必要がある。

高橋美咲は「まだ慌てないで。まずは現場を見に行きましょう。行くよ」と言った。

二人が廊下に出た瞬間、柳小路が大勢を引き連れてやって来るのが見えた。彼女は書類の束を手に持ち、高橋美咲を見つけると、にやりと笑って言った。「高橋美咲、どこに行くつもり?まさか責任を取る前に逃げる気じゃないでしょうね?」

その後ろの人たちも口々に言った。「そうだよ!まさかこんなことするなんて。わざとやったんだろ?表向きは柳小路の作品を修復すると言いながら、実はこっそり下絵を細工したんだ!」

高橋美咲は冷たい視線で一同を見渡し、淡々と「下絵を見せて」とだけ言った。

「何よ、証拠を隠滅するつもり?たとえそうしても無駄よ。もう九条インターナショナルの最上層まで話が上がってるって聞いたわ。まさか逃げ切れると思ってるんじゃないでしょうね?」