Chapter 403
直接、彼女と話したい
佐伯大輔が去った後、九条家の大奥様は九条家の大旦那様に目を向けて尋ねた。「本当に佐伯家と縁組みするつもりなの?」
つい先ほどまで、九条家の大旦那様は大阪の家柄を見下していたはずなのに、こんなにも早く佐伯家に決めるとは思ってもみなかった。
九条家の大旦那様は鼻で笑った。「全部、あの蓮のせいだろう。どうせ佐伯大輔も蓮と仕事で関わりがあるし、あいつも大して反対はしないだろう。」
それに加えて、佐伯葉月は教養もあり礼儀正しく、容姿も申し分ない。まさに理想の嫁候補だと感じていた。
家柄のない女を孫の嫁に迎えるなんて、絶対に受け入れられなかった。
たとえ九条蓮が九条家の将来の相続権を放棄すると言ったとしても、ここまで手塩にかけて育ててきたのだ。本当に手放せるはずがない。
だからこそ、今自分が口を出して、この話を正す必要がある。名家の娘を選び、将来の九条家の女主人に据えるべきだと考えていた。
九条家の大奥様はため息をつき、「まだ蓮の奥さんに会ったこともないのに、どうして駄目だと決めつけるの?あれだけ蓮が夢中になるんだから、きっと何か特別なものがあるはずよ。」と言った。
彼女はやはり九条蓮の味方であり、蓮が心から愛する人と結ばれてほしいと願っていた。
九条家の大旦那様はふんと鼻を鳴らし、頑なに「特別なものなんてあるものか!あんな女の特別さなんて、蓮をたぶらかして親に逆らわせることくらいだ!」と言い放った。
九条蓮が高橋美咲と離婚しないために自分に言い放った言葉は、今でも許せず、心の中にしこりが残っていた。
「もういいわ。あなたがそう決めたなら、私は何も言わない。」
九条家の大奥様は、これ以上頑固な夫に何を言っても無駄だと悟り、席を立った。彼の頑固さはよく分かっている。簡単に考えを変えさせることはできないだろう。
彼女は立ち上がり、外へと歩いていった。
九条家の大奥様に無視された九条家の大旦那様は、不満げに鼻を鳴らした。
自分は全て蓮のためを思ってやっているのに、まるで害を与えているかのように思われてしまう。
九条家の大奥様は中庭に出て花壇の手入れを始め、長年仕えてきた安藤さんがそばで世話をしていた。
「安藤さん、人ってどうしてあんなに頑固になれるのかしら。蓮が好きな人を選ばせてあげればいいのに。」
「大奥様、ご主人様もきっと、蓮様のことを思うからこそ厳しくなってしまうんですよ。全部、蓮様のためなんです。」安藤さんは長年大奥様に仕えてきて、夫婦のこうしたやりとりにも慣れていた。
大奥様の気持ちをよく知っている安藤さんは、きっと大奥様が九条蓮に好きな女性を選ばせてあげたいのだろうと感じていた。かつて九条家の四男が家族に反対された女性に惚れ込み、二人で止めた結果、悲劇が起きたことも思い出していた。
大奥様もまた、蓮があの時の四男のように激しく反発し、同じ過ちを繰り返すのではと恐れていたのだろう。
「はぁ……やっぱり、このままにはしておけないわ!」
九条家の大奥様の目に鋭い光が宿った。
もし自分が勝手に動けば、九条家の大旦那様は激怒するかもしれない。でも、彼女は決して怖くなかった。蓮を台無しにされるわけにはいかない。
「安藤さん、蓮の奥さんの連絡先を調べてちょうだい。直接話してみたいの。」
「かしこまりました、大奥様。」
安藤さんは素早く動き、半日も経たないうちに高橋美咲の電話番号を調べて大奥様に渡した。
手元の番号を見つめ、九条家の大奥様は静かな場所に移動して電話をかけた。
しばらくコール音が鳴った後、電話がつながり、耳元に甘い声が響いた。「もしもし、どちら様ですか?」
You might also like




