Chapter 325
高橋美咲のためにすべてを整理する(続き)
「蓮がこんなことをしたことが今まであったか?全部あの女が現れたせいだ。あの女は絶対にろくなもんじゃない。」
話せば話すほど九条家の大旦那様は怒りが増していった。しかし九条絵美里は全く味方をせず、毎日のように「もう諦めて、あの子を受け入れなさい」と言い続けている。
絶対に、あんな女を九条家に入れるわけにはいかない!
前回「離婚しろ」と言ってからは、九条蓮への圧力をやめ、自由にさせてきた。きっと自分で何が大事か分かっているはずだと思っていた。
九条千紗にも、しばらくは二人のことに口を出すなと伝えていた。
だが、これだけ時間が経ってもこの結果だとは。
これだけ長い間離婚していないということは、やはり自分に嘘をついていた証拠だ!
九条家の大旦那様は苛立たしげに九条絵美里を睨み、「お前が甘やかすから、あいつは好き勝手やって自分の結婚まで遊び半分で扱うんだ」と不満げに言った。
九条絵美里もその言葉には納得がいかない様子だった。
「私がどうやって蓮を甘やかしたっていうの?結婚なんて絶対しないって、あんたがずっと言ってたじゃない。家柄が多少下でも、結婚してくれるならそれでいいって。」
「今度は結婚してくれるっていうのに、また相手を見下して。蓮が好きになった子なら、私は九条家に迎えてもいいと思う!」
「ダメだ。九条家にあんな女を入れたら、うちは終わりだ!」
「じゃあ、蓮が一生結婚しなくてもいいってこと?」
「そんなわけがないだろう!」
「あんたが名家の娘を何人も紹介しても、蓮は誰一人好きにならなかったじゃない。それで結婚できると思う?」
言い合いをしているうちに、二人の顔は真っ赤になっていった。
ちょうどその時、明おじさんが外から入ってきて、仕方なく二人の会話を遮った。「旦那様、奥様、九条蓮様がお見えです。」
九条絵美里は九条家の大旦那様に目配せし、「蓮が来たわ。きっとあの子のことでしょうから、変なこと言ってまた蓮と喧嘩しないでよ」と言った。
「ふん」と九条家の大旦那様は鼻を鳴らした。
ソファに戻って腰を下ろした。
しばらくして、九条家の使用人に案内されて九条蓮が入ってきた。
高級なオーダーメイドのスーツを身にまとい、気品と知性を漂わせ、端正な顔立ちと圧倒的な存在感でその場を支配していた。
九条家の大旦那様は、目の前に立つ長男の孫を見つめた。容姿も中身も、すべてが完璧だった。
ただ、こんなことが起きてしまったのが本当に悔しくてならなかった。
九条絵美里は九条蓮の姿を見ると、やわらかな微笑みを浮かべた。
彼女はそっと声をかけた。「蓮、どうしたの?もうご飯は食べた?お祖父様、今日はご機嫌が悪くて、体調もあまり良くないの。」
九条絵美里は実は、九条蓮にこっそりと九条家の大旦那様が不機嫌だと伝え、余計なことを言って刺激しないようにと注意を促していた。
九条蓮は軽くうなずき、九条家の大旦那様の前のソファに腰を下ろした。
そして顔を上げて九条家の大旦那様を見つめ、低い声で気遣いながら尋ねた。「お祖父様、体調が悪いんですか?お医者様を呼びましょうか?」
九条家の大旦那様はピシャリと言った。「お前がさっさと離婚してくれれば、わしは元気になる。」
九条家の大旦那様がまだ怒る元気があるのを見て、九条蓮は本当に病気ではないと察した。やはり高橋美咲との件が原因で、今来たのはちょうど良いタイミングだった。
九条蓮は表情を崩さず、静かに言った。「お祖父様、今日は自分のことについてお話ししたくて来ました。」
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