Chapter 304
彼女は九条蓮を落とすことに成功した(続き)
高橋美咲は「翔、なんで私と高橋家の関係を九条蓮に話したかどうか聞いたの?私はもう高橋家とは関わりたくないの」と不思議そうに尋ねた。
「お前は……はあ!もういい。なんでもない。とにかく成功おめでとう。今度ご馳走してくれよな」
そう言って、相沢翔は電話を切った。
高橋美咲は、相沢翔の様子がどこか変だと感じた。やけに興奮していたけど、深く考えずに電話を切った。
その後すぐ、九条凛からまた電話がかかってきた。
高橋美咲は急いで画面をスワイプして応答した。通話が繋がるやいなや、九条凛がせっかちに「美咲、さっき誰と話してたの?何回も電話したのに!」と詰め寄ってきた。
「何か用だったの?」
「いや、別に……」と九条凛は気まずそうに笑った。
続けて、九条蓮の両親と妹に会いに行った日のことを慎重に尋ねてきた。何か失敗して、余計なことを言ってしまったのではと心配している様子だった。
高橋美咲は隠さずに「特に問題なく終わったよ。九条蓮のご両親はとても穏やかで、すごく話しやすかった」と答えた。
それを聞いた九条凛は、内心で得意げに鼻を鳴らした。そりゃそうだ、自分の両親はあの守銭奴の叔母さんみたいに人を見下したりしない。美咲のことを悪く思うはずがない!
でも、九条凛が喜んだのも束の間、高橋美咲が困ったように「でも、妹さんにはあまり好かれてないみたい。今日も九条蓮と離婚するのかって聞かれちゃって……」と続けた。
「ぶっ!!!」九条凛は思わずむせてしまった。
しばらくしてようやく落ち着きを取り戻す。
九条家の大奥様が森川佳鈴のもとへ行き、自分の代わりに九条蓮の妹役を頼んだという。いったい森川佳鈴はどんなことを言って高橋美咲にここまで誤解させたのか。
自分の名誉のためにも、九条凛は真相を突き止めなければと思った。
何度も念を押して尋ねた。「何て言われたの?九条蓮の妹があなたのこと嫌いだって?美咲ってすごく素敵なのに、妹さんが嫌うはずないと思うけど?」
森川佳鈴の言葉を思い出し、高橋美咲の目が冷たくなる。
九条蓮の前では家族の悪口は言いたくなかったが、九条凛は親友なので、隠すことは何もなかった。
「誤解じゃないと思う。はっきり「あなたは九条蓮にふさわしくない」って言われたから。」
九条蓮が本当に素晴らしいのは認めるけど、自分だってそんなに悪くないはずだ。
それを聞いた九条凛は、今にも爆発しそうだった。
その瞬間、森川佳鈴のところへ行ったのは間違いだったと強く思った。どうしてそんなことを高橋美咲に言えるのか。
よくもそんなことを!
実は九条家本邸で、森川佳鈴がこっそり隅で九条蓮を見つめているのを何度か見かけたことがあったが、その時は特に気にしていなかった。
でも今になって考えると、あの女は兄に気があるのかもしれない。
そう思うと、九条凛は怒りがこみ上げてきた。
高橋美咲と九条蓮のために動いたつもりが、逆に高橋美咲に恋のライバルを作ってしまったなんて、自分が情けない!
高橋美咲は続けた。「それに、帰ろうとした時、明日佐伯お嬢様の女子会に誘われたの。絶対罠だと思って断ったけど。」
明日?佐伯お嬢様の女子会?
九条凛の目が動き、何かを思い出したようだった。
明日の女子会って、佐伯葉月や東京の社交界のお嬢様たちが主催するあのパーティーじゃない?
自分はずっと大阪で勉強していて、東京にはあまり来なかった。最近東京で活動するようになって、社交界のお嬢様たちがそれを聞きつけて、わざわざ招待状を送ってきたのに、忙しくてすっかり忘れていた。
森川佳鈴は高橋美咲も連れて行って、何か仕掛けるつもりなのか?
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