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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 301 - お義姉さん、私のこと嫌いみたい(続き)

Chapter 301

お義姉さん、私のこと嫌いみたい(続き)

ところが九条家のお母様は、高橋美咲がそんなことを言うとは、どうしても信じられなかった。

すぐに森川佳鈴の手を軽くたたき、言った。「そんなはずないでしょう?美咲はそういう子じゃないわ。何か誤解してるんじゃない?」

「でも……」森川佳鈴はまだ何か言おうとした。

その時、高橋美咲が突然、冷たく笑った。

冷ややかな目で森川佳鈴を見つめ、言った。「そこまで私があなたを嫌いだと言い張るなら、そうね、嫌いよ。でも一つだけ、あなたの言っていることは正しいわ。あなたは本当に人付き合いが下手。人としてどう振る舞うべきか、もっとたくさん学んだ方がよさそうね」

もともと森川佳鈴は、高橋美咲が耐えるだけで何も言い返せないと思っていた。

まさか真っ向から言い返されるとは思わなかった。つまり、自分はまともな人間としての振る舞いも知らない、と言われたも同然ではないか?

たちまち怒りで顔が青ざめた。

何より吐血しそうなほど腹立たしかったのは、高橋美咲がこう言い返せば、九条蓮の父と母はきっと礼儀知らずだと思うはずだと考えていたのに、二人は特に反応を示さなかったことだ。

それどころか、九条家のお母様は笑顔で言った。「佳鈴、美咲の性格は本当に……」

最初は九条凛の名前を出そうとした。だが口元まで出かかったところで、まずいと気づいた。一度言葉を止め、すぐに言い換えた。「本当に蓮の言った通り――率直で裏表がないのね!」

森川佳鈴は怒りで両手をきつく握り締めたが、反論する勇気はなかった。

九条家のお母様は、彼女の異変に気づいていない。笑顔で尋ねた。「佳鈴もそう思うでしょう?」

そう聞かれ、森川佳鈴は無理やり笑うしかなかった。「ええ……」

結局、森川佳鈴は九条家のお母様に高橋美咲を嫌わせることも、高橋美咲を怒らせることもできず、自分だけが腹いっぱいの怒りを抱え、どこにもぶつけられずに終わった。

頃合いを見て、高橋美咲は立ち上がり、九条家のお母様に別れを告げた。九条蓮が前へ出て彼女の手を取り、一緒にその場を後にした。

二人の姿が見えなくなるのを見送りながら、森川佳鈴は悔しそうに歯を食いしばった。

九条家のお母様とお父様が森川家を出て九条家本邸へ戻った後、森川さんと森川夫人が帰宅した。森川夫人はたまらず森川佳鈴を引っ張り、今日何があったのかを尋ねた。

二人は森川さんに気づかれないよう、そっと部屋へ入った。

「佳鈴、どうだった?九条夫人たちはあなたを褒めてくれた?若旦那様の隣にいたあの女なんて、あなたにはかなわなかったでしょう?」

それを聞いた森川佳鈴は、得意げに顎を上げて鼻で笑った。「もちろんよ!あの女、顔だけはそこそこだけど、学歴も他のことも私と大して変わらないわ。」

森川夫人はすぐに嬉しそうに微笑み、「じゃあ、あの二人が離婚したら、あなたがチャンスを掴めばいいのよ」と急いで言った。

今日の九条蓮を思い出し、森川佳鈴の瞳には憧れが浮かんだ。

九条蓮は子供の頃から端正で気品があり、とても美しかった。大人になった今はさらに男らしさが増し、まさに理想通り。加えてその地位と権力が、彼女の心をさらに惹きつけていた。

学生時代、森川佳鈴は優秀だったので、何人もの男子から言い寄られた。しかし九条蓮のそばに戻るため、誰にも目もくれなかった。

「お母さん、あの女、まだ九条蓮にしがみついて離れたくないみたい!」

森川佳鈴は憤然と「でも大丈夫。私があの女をどうにかするから。いい知らせを待ってて」と言った。

「今私がやるべきなのは、自分の価値を高めること。それでこそ九条蓮にふさわしい女になれる。高橋美咲なんて全然眼中にないわ!」

明日、東京の上流社会の集まりがあると知り、森川佳鈴は九条家のお嬢様として出席しようと、いろいろ考えを巡らせていた。

どうせ九条凛は大阪にいるし、今は自分が東京の九条家のお嬢様なのだ!