Midnight FableMidnight Fable

裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 254 - 彼の背後には指南役がいる(続き)

Chapter 254

彼の背後には指南役がいる(続き)

もしそうなら、自分は完全に裏切られていたことになる。

「一人じゃないの?」桜井奈緒は驚き、すぐに表情を抑えて「だから言ったでしょ、高橋美咲はまともな女じゃないって。もしかして、あなたと付き合ってた時も……」

九条悠真はさっきからプライドを傷つけられていた。今また桜井奈緒に蒸し返され、さらに顔色が悪くなり、歯を食いしばって「もういい、これ以上言うな」と言った。

その険しい表情を見ても、桜井奈緒は全く同情しなかった。

ほんの少し間を置いて、さらに続ける。「来月は私たちの結婚式よ。もし高橋美咲がまた男を連れてきて、式をめちゃくちゃにされたらどうするの?」

前回の婚約パーティーの混乱を思い出し、九条悠真の顔は水が滴りそうなほど暗くなった。

高橋美咲は偽物の替え玉を連れてきて注目を奪い、さらにあの偽の動画まで流して、婚約パーティー全体をめちゃくちゃにした。

以前、九条悠真は高橋美咲が受け入れられず、自分を取り戻そうとしてそんなことをしたのだと思っていた。

その後、自ら歩み寄ってチャンスを与えたが、高橋美咲は何度もその好意を拒絶した。きっと神谷海斗に乗り換えて、今では自分を見下しているのだろう。

桜井奈緒の表情もまた暗かった。婚約パーティーはすでに台無しにされ、挽回できるのは結婚式だけ。今度こそ絶対に失敗できない。

すべては根本から断たなければ!

桜井奈緒は言った。「悠真、早く高橋美咲とあの男の仲を壊す方法を考えましょう!」

九条悠真の顔は氷のように冷たかったが、桜井奈緒の言葉を否定しなかった。

彼が黙り込むのを見て、桜井奈緒の目に計算高い光が一瞬走り、そっと安堵の息をついた。

九条悠真がすでに自分に協力し、高橋美咲に手を打つことを認めたのだと分かった。

二人の結婚式は1か月後に予定されている。今回は前回よりもさらに多くの人手と資金が投入され、より多くの来賓が招かれ、万全の準備が整えられていた。

九条悠真は明らかに、前回の失敗を挽回するつもりだった。

本来なら、それは良いことのはずだった。

だが、最も厄介なのは、結婚式の前にメゾン・ヴェルヌが新作発表会を開くことだった。

以前、桜井奈緒は九条悠真に、発表会当日に高橋正人を連れて行くと約束させられていたが、いまだにその解決策が見つかっていない。幸い、高橋美咲が自ら現れたことで、九条悠真の標的がそちらに移り、しばらくは注意をそらすことができた。

九条悠真が高橋美咲の対応に追われている間に、自分もこの危機を乗り切る方法を急いで考えなければならない。

数年前、高橋家の長女が高橋正人と喧嘩して家出し、それ以来行方不明だと聞いたことがある。今どこにいるのか誰も知らない。もし見つけ出せれば、まだ別の道があるかもしれない。

高橋家の長女を密かに探させなければ!

その頃、九条インターナショナルの社長室。

九条蓮は九条凛と電話中で、受話器の向こうから九条凛の声が聞こえてきた。

「お兄ちゃん、お兄ちゃん……美咲さん、プレゼントもらったときどんな顔してた?ちょっとでも感動してた?それともお礼くらい言った?」

九条蓮は少し眉を上げた。「知らない。」

ここ2日間で送ったものは全部九条凛のアイデアだった。どこからそんなにネタを仕入れてくるのか、毎日新しい小細工を思いついてくる。

高橋美咲が感動したかどうかは分からない。

だが、前回と違い、高橋美咲は贈り物を断らず、送ったものをすべて受け取ってくれた。それだけでも十分な反応だと思う。

九条凛は少しがっかりしたようにため息をついた。「何それ、知らないって?誰かに見張らせればいいじゃん?そしたら美咲さんの行動全部把握できるのに。」