Chapter 251
お願い、聞いてくれる?(続き)
高橋美咲は上機嫌で「それなら、一緒にあなたの友達を応援しよう!」と明るく言った。
その日はとても楽しく食事を終えた。
二人は一緒に車で帰宅した。
車を降りる直前、高橋美咲がシートベルトを外そうとしたとき、突然大きな手が彼女の手を包んだ。
驚いて彼の方を振り向くと、「どうしたの?」と尋ねた。
九条蓮は数秒黙ったまま、何も言わずに身を乗り出し、彼女のシートベルトを外してくれた。
その瞬間、高橋美咲は御膳庵で言ったことを思い出した。九条蓮が友達のために手伝うと言っていたことだ。
つまり、九条蓮はすでに“役”に入り込んでいるのだろう。
彼女は「女の子のシートベルトを自分から外してあげるのって、すごく気が利いてると思う」とコメントした。
マンションに戻ると、高橋美咲はバスルームで部屋着に着替えた。
その間、九条蓮はソファに座っていた。テレビではコマーシャルが流れていたが、彼の視線は画面には向いていなかった。
以前の部屋は質素で狭く、テレビもなかった。だが、今回引っ越した部屋は立地も良く、家具も家電もすべて揃っていた。
高橋美咲がリビングに出てくると、九条蓮がずっと自分を見つめていたことに気づいた。
御膳庵から帰ってきてから、九条蓮の視線がどこか違う気がしていた。うまく言葉にはできないが、とにかく顔が熱くなって心臓が高鳴るような、そんな感覚だった。
高橋美咲は気持ちを落ち着かせ、静かに九条蓮の隣に腰を下ろした。
座った瞬間、ふと二人がまるで長年連れ添った夫婦のような感覚にとらわれた。不思議な気分だった。画面の広告はすでに終わり、ドラマに切り替わっていた。
場面が変わると、男女の主人公が激しく抱き合い、そのまま熱烈にキスを交わし始めた。見ているだけで顔が熱くなるようなシーンだった。
高橋美咲の体は固まり、全身がむず痒くてたまらなかった。
なんでこんなドラマを九条蓮と一緒に観てるの!?と心の中で叫ぶ。
ソファに座ったまま、心臓が今にも飛び出しそうなほどドキドキしていた。
その時、不意に影が差し、次の瞬間、大きな手が肩に置かれて柔らかなソファへと押し込まれた。すぐに、ひんやりとした唇が自分の唇に重なる。
九条蓮の片手が高橋美咲の腰をしっかりと抱き寄せ、もう一方の手で頭を支えながら、深く情熱的にキスをした。彼は完全に夢中になっていた。
部屋に響くのはテレビから流れる音だけ。ドラマの男女はすでに体を離していたが、唇と舌は絡み合い、キスはどんどん激しくなっていく。まるで制御が効かなくなりそうな気配さえ漂っていた。
高橋美咲は九条蓮の体が緊張しているのを感じたが、自分にできるのは彼の服をぎゅっと掴み、熱く長いキスを受け入れることだけだった。
しばらくして、九条蓮は高橋美咲をそっと解放した。
今ここで離さなければ、本当に自制が効かなくなりそうだった。
まだ始まったばかりなのに、ここで高橋美咲を怖がらせてしまったら、相沢翔のアトラクションスコアを超える前に、彼女がどこかへ逃げてしまうかもしれない。
九条蓮が落ち着いているのに対し、高橋美咲はかなり乱れていた。
息を荒くし、さっきの刺激からまだ抜け出せない様子で、頭の中は真っ白だった。
その時、九条蓮が「今のキスで、俺のアトラクションスコアはどれくらい上がった?」と尋ねた。
花を贈った時は5%だったから、100点満点であと95点分頑張らないといけない。今どれくらい近づいたのか、今回のスコアが知りたかった。
「え?」と高橋美咲は小さく呟いた。
しばらくしてようやく思考が戻り、九条蓮の言葉を理解した瞬間、頬がりんごのように真っ赤になった。
これは本当に危険すぎる!
キス一つでこんなに頭がくらくらするなんて、これ以上何かあったら即降参しちゃうよ!
でも、もしキス一つで九条蓮にすごく惹かれていると認めてしまったら、このアトラクションスコアのゲームがすぐ終わってしまうのでは?
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