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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 227 - 洋服が届いた(続き)

Chapter 227

洋服が届いた(続き)

その時、九条蓮が真壁直人や水城圭介たちと一緒に階段を降りてきた。

一目で、九条蓮は美咲と相沢翔が入口で何かを押し付け合っているのを見た。美咲の手にある袋は、昨日わざわざ自分を連れて試着させたあのブランドのものだと気づく。

美咲はその服を相沢翔に贈ろうとしているのに、相沢翔は受け取らないのか?

なんて恩知らずな奴だ!

九条蓮は唇をきつく結び、足を止めずにそのまま歩き去った。

真壁と水城は顔を見合わせ、互いに後悔の色を浮かべた。

なぜ自分たちは、わざわざ九条社長を昼食に誘ってしまったのか――。

近くに評判のいいレストランがあると聞きつけて、九条蓮を無理やり連れて行き、九条ホールディングスのレストラン事業に活かせるものがないか見に行ったのがきっかけだった。

まさか、あんな衝撃的な場面に遭遇するとは思ってもみなかった。

知っていたら、二人だけで行けばよかったのに。

高橋美咲と相沢翔はしばらく九条蓮をかわしていたが、結局彼の説得に負けて宝石を受け取った。

彼女はその宝石を手元に置き、デザインを考えて作品に仕上げ、それを叔母に贈るつもりだった。

一日はあっという間に過ぎ、ちょうど定時になると九条蓮が会社の下に現れ、高橋美咲を迎えに来た。

高橋美咲は待ちきれずに急いで階段を駆け下りた。

上階のガラス窓越しに、柳小路が高橋美咲の姿を見つめ、軽蔑の色を浮かべた。

昼には一人の男性と会い、夜にはまた別の男性と会う。

高橋美咲は本当に時間の使い方が上手い、まるで社交界の蝶のようだ。これが九条インターナショナルに入社し、デザインディレクターになれた秘密なのか?

ショッピングバッグは大きく、高橋美咲は隠すつもりもなく、後部座席のドアを開けて荷物を置き、再び助手席に戻って座った。

九条蓮は後ろのバッグに目をやり、心の中で冷たく鼻で笑った。

高橋美咲が座ると、少し言葉を選びながら「昨日試着してた服、買ったの。あなたに」と言った。

自分に?

むしろ、相沢翔がいらなかったものを押し付けてきただけじゃないか!

九条蓮のことを何も知らないとでも思って、不要品専門のゴミ箱扱いとは、高橋美咲もよくやる。

九条蓮は唇をきつく結び、何も言わずに車を発進させた。

道中、高橋美咲は車内の雰囲気がどこか違うことに敏感に気づき、そっと九条蓮をうかがった。

横顔は整っているが、どこか緊張していて、明らかに不機嫌そうだった。

プレゼントを渡したのに、なぜ九条蓮は思ったほど喜んでくれないのだろう?何がいけなかったのか。相沢翔に聞いてみるしかなさそうだ。

代官山パークレジデンスに戻り、車を停めると、九条蓮は高橋美咲を待たずにそのまま先に上がっていった。

歩幅は大きく、背中にはどこか冷たい空気が漂っていた。

高橋美咲は荷物を抱えて後ろから慌てて追いかけ、「九条蓮、待って」と息を切らしながら声をかけた。

二人はようやく部屋に戻った。

九条蓮は振り返るとそのまま書斎に入り、バタンとドアを閉めた。

高橋美咲は固く閉ざされたドアを呆然と見つめ、しばらくその場で立ち尽くしたまま眉をひそめた。

九条蓮が本気で怒っているのは、さっきの態度で明らかだった。

もしかして、このメンズブランドが気に入らなかったのだろうか。

はあ、男心は海の底の針のように分かりにくい。

高橋美咲はスマホを持って寝室に入り、相沢翔に電話して聞いてみることにした。

書斎の中。

九条蓮は極めて機嫌が悪かった。

誰だって、自分が他人の代用品だと知ればいい気分はしない。

不機嫌ではあったが、高橋美咲に問い詰める権利はなかった。そもそも彼女は何も約束していないし、二人の結婚もただの事故だった。