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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 215 - 好きなら、早めに動け(続き)

Chapter 215

好きなら、早めに動け(続き)

高橋美咲が言いかけたところで、相沢翔がさえぎった。

彼はふっと息を吐き、「何だよ、怖いのか?お前がビビるなんて似合わないぞ。男を追いかけるくらいで何を臆病になってるんだ。好きなら、ちゃんと追いかけろよ!」

好きなら、ちゃんと追いかけろ?

相沢翔の言葉に高橋美咲は呆然とした。その瞳の迷いが徐々に晴れていき、やがてガラスのような瞳が驚くほど明るく輝いた。

そうだ!

相沢翔の言う通りだ。九条蓮には彼女もいないし、好きな女性もいない。だったら、自分が追いかけて本物の夫婦になればいいじゃないか。

あとはプライドを捨てるだけ。

もし彼も自分を好きになってくれたら、本当の夫婦になれるはずだ。

これまで悩んでいたのは、九条蓮が自分を契約の相手としか見ていないと思い込んでいたからだった。

行き詰まっていた高橋美咲だったが、相沢翔の一言で目が覚めたように、いろんなことが一気に分かった気がした。

その瞬間、高橋美咲は決意した。九条蓮を追いかける!

高橋美咲はすぐに大きな目標を立てた。

満面の笑みを浮かべて相沢翔の肩を叩き、「翔、ありがとう。もう何をすべきか分かった」と感謝を込めて言った。

相沢翔はきょとんとした顔。「何が分かったんだ?」

九条蓮を追いかけるってことか?

自信満々の高橋美咲を見て、相沢翔も笑顔で肩を叩き返し、「じゃあ頑張れよ!これからはお前と未来の義理の姉さんに引っ張ってもらうからな」と励ました。

高橋美咲が本物の九条夫人になれば、自分にもいろいろと得がある。そう思うと、気分が良くなった。

その時、レストランの外で二人の探偵がカメラを構え、ガラス越しに相沢翔と高橋美咲の姿を撮影していた。

写真を撮り終えると、彼らはすぐにその場を離れた。

30分後、高橋美咲と相沢翔の写真が九条悠真の手に渡った。

写真の中で高橋美咲と相沢翔はとても親しげに見えた。頭を寄せ合い、まるで抱き合っているかのような距離感で、互いに微笑み合っていた。

九条悠真の目は暗く、困惑していた。

高橋美咲は一体誰に取り入っているのか、神谷海斗なのか、それとも相沢翔なのか。それともどちらも諦めず、二股をかけているのか。

……

相沢翔と別れた後、高橋美咲はすっかり肩の力が抜けていた。口元には微かな笑みが浮かび、まるで花が咲いたように明るい表情だった。

代官山パークレジデンスに戻ると、リビングには小さな間接照明だけが灯り、書斎の明かりがついていた。

九条蓮は書斎にいるようだった。

相沢翔の言葉を思い出すと、高橋美咲の頬がほんのり赤くなり、心臓がどんどん高鳴っていく。体中がくねくねと虫のようにねじれそうな気分だった。

それにしても、男を追いかけるってどうやるんだろう?

高橋美咲はスマホを取り出し、「男を追いかける方法」で検索を始めた。

最初に出てきた答えは「女が男を追うのはベールをめくるように簡単。最終手段は一緒に寝ること。よほど見た目が悪くなければ、男は絶対に手を出さずにいられない!」というものだった。

高橋美咲は口元を引きつらせた。九条蓮は毎日隣で寝ているけれど、多少行き過ぎたスキンシップはあっても、そこまでには至ったことがない。それだけ自分にその気がないということだ。

もしあったとしても、それは酔って正気を失っていた時だけ!

これはダメだ!

次の答えをスクロールしてみた。

ウェブページには「男に意識してもらうには、常にそばにいて気遣いを見せること。胃袋を掴むだけでなく、精神的にも満たしてあげて、生活全般を気にかけることが大事」と書かれていた。

これは少し信憑性がありそうだ。

普段から毎日ご飯は作っているから、胃袋はもう掴んでいるはず。なら、あとは生活を気遣えばいい!

高橋美咲は書斎の方を見やった。九条蓮は今、何をしているんだろう?