Chapter 204
高橋美咲は最終的に誰と結ばれたのか?(続き)
彼女は太ももを叩いて立ち上がり、「私も美咲を手伝ってくる!」と宣言した。
だが立ち上がる前に、九条蓮が彼女を押し戻した。
「邪魔するな。ここで待ってろ。俺が行く」
邪魔って何よ?手伝うのがどうして邪魔なの?
九条凛が反論しようとした瞬間、九条蓮は淡々と「この前、牛乳温めてキッチン爆発させたの忘れたのか?」と一言。
九条凛「……」
そんな昔のこと、今さら言わなくてもいいじゃん。
しかも他人の前で…私のプライドはどこへ?
神谷海斗は驚くこともなく、九条凛を見て優しく微笑み、目には慈しみが溢れていた。
九条蓮は二人を残してキッチンのドアを開けた。
高橋美咲はスラリとした体で家事に励み、温かくて家庭的な雰囲気を醸し出していた。その光景があまりにも美しく、九条蓮はしばらく声をかけるのをためらったほどだった。
物音に気づいた高橋美咲が振り返る。「どうしたの?」
「手伝うよ」
前に手伝ってくれた時はお皿を割ってしまったけれど、自分から手伝いに来てくれるその気持ちが、高橋美咲の心を温かくした。
こんな男性、本当に反則級の魅力だと思った。
高橋美咲は、九条蓮が着ている白いシャツに目をやった。
九条蓮はスタイルが抜群だ。普通の白シャツでも、彼が着るとまるでモデルのようで、広くてシャープな肩が男らしさを際立たせていた。
今もし彼が高級なスーツに着替えたら、きっとさらに格好良くなって、あのリッチなオーラが溢れ出すんだろうな、と美咲はふと思った。
まるで桜井奈緒の婚約式の日みたいに。あの日の九条蓮は本当に眩しくて、一瞬だけ本当にあの地位も名声もある九条社長なんじゃないかと錯覚しそうになった。
その時になって初めて、美咲は九条蓮が服を2、3着しか持っていないことに気づいた。
美咲は心の中で、九条インターナショナルから初めて給料をもらったら、絶対に九条蓮に新しい服を買ってあげようと決めた。
服が少ないから、今着ているこのシャツは絶対に汚せない。
もちろん、彼に上半身裸で手伝ってもらうわけにもいかない。そんなことになったら、美咲は鼻血を出して料理どころじゃなくなりそうだ。
近くにもう一枚エプロンがあるのを見つけて、美咲はひらめいたようにそれを手に取り、「あとで服が汚れないようにエプロンつけて」と言った。
九条蓮は「つけてくれる?」と返した。
その言葉に美咲は一瞬固まったが、断ることはしなかった。
彼女は九条蓮のそばに歩み寄り、つま先立ちになってエプロンを首にかけてあげた。近づいた瞬間、九条蓮の手がそっと美咲の腰に触れた気がした。
薄い布越しに伝わる彼の体温が、まるでアイロンのようにじんわりと肌に染み込んでくる。
毎晩一緒に寝ていて、十分に距離は近いはずなのに、こうして改めて近づくとやっぱり顔が赤くなって、心臓がドキドキして、全身が熱くなってしまう。
美咲は九条蓮に下ごしらえを手伝ってもらいながら、自分は料理に集中した。
やがてテーブルには、どれもレストランに負けない見た目の料理がずらりと並び、誰もが食欲をそそられる光景になった。
九条凛が席についた瞬間、よだれを垂らしそうになった。
彼女は遠慮なく美咲を褒めちぎった。「美咲、本当にすごい!絶対にいい奥さんで、いいお母さんになるよ。九条蓮は本当に幸せ者だね!」
もちろん、自分の手伝いも含めて!
凛は美咲を義姉に迎えると決めた自分の判断が、やっぱり大正解だったと感じていた。
ただ一つ残念なのは、美咲がまだ兄に惚れていないこと。でも、きっともうすぐ二人は両想いになると信じているし、自分も全力で応援するつもりだ。
凛は小さく咳払いをして、いたずらっぽく微笑みながら言った。「さっき二人が料理してる間に、ワイン買ってきたの。あとでみんなで飲んで盛り上がって、ちゃんとお祝いしよう!」
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