Chapter 196
どこで弁護士を見つけたの?
最後に、桜井直樹は野上千紗に口止めをきつく言い、絶対に外部に漏らすなと念を押してから、慌ただしくその場を去った。
…
二日があっという間に過ぎた。
桜井直樹はすでに休暇を取り、姿を消していたが、桜井奈緒はまだそのことを知らず、偽造された診断書が届くのを待ち続けていた。
今日は、高橋美咲の傷害事件の公判が東京地方裁判所で開かれる日だった。
桜井奈緒は白いワンピース姿で、長い髪を背中に流し、儚げで可憐な雰囲気を漂わせていた。九条悠真と九条沙耶香が付き添い、三人は弁護士の後ろに並んで座り、高橋美咲の裁判を待っていた。
桜井奈緒は少し眉をひそめ、何度もスマートフォンを取り出しては確認していた。まるで何かの連絡を待っているかのようだった。
すでに裁判所に到着しているのに、桜井直樹からはまだ診断書が届かず、あとどれだけ待てばいいのか見当もつかない。
そして高橋美咲も、まだ姿を見せていなかった。
たとえ高橋美咲が拘置所から保釈されていたとしても、それが無罪を意味するわけではない。
本人が出廷しなくても、欠席裁判で判決が下されることもある。
裁判の規則では、原告の訴状に対し被告が定められた期間内に答弁しなければ、原告は直接裁判所に判決を申し立てることができる。
到着した時、桜井奈緒はすでにアシスタントの陽子にライブ配信を始めさせていた。
この日を心待ちにしていたファンも多かった。
コメント欄はすでに大盛り上がりだった。
「高橋美咲、まだ来てないの?まさか今日、怖くて出てこないんじゃ?」
「人を傷つけるくせに、顔を出す勇気はないのか?来なくても有罪には変わりないけど!」
「桜井奈緒の弁護士は九条ホールディングスの顧問弁護士らしいよ。高橋美咲、今回は終わったな!」
その時、高橋美咲がスーツ姿の男性と共に現れた。男性はブリーフケースを持ち、非常に厳格でプロフェッショナルな雰囲気を漂わせていた。
桜井奈緒の視線は高橋美咲の隣の男性に向けられ、眉をひそめた。
隣の九条悠真も、高橋美咲の隣の男に強い関心を示していた。もし予想が正しければ、あれが高橋美咲の弁護士だ。
すでにどの法律事務所にも高橋美咲の案件を受けるなと厳命していたはずなのに、いったいどこから弁護士を見つけてきたのか?
開廷前に、まず裁判所で非公開の協議が行われる。
場合によっては、この協議で双方が和解に至ることもある。合意できなければ、そのまま本裁判に進む。
協議室の中、高橋美咲と桜井奈緒は向かい合って座っていた。
それぞれの隣には弁護士が座り、中央には裁判官がいた。
桜井奈緒側の弁護士は、九条ホールディングスの社内弁護士だった。
この案件は九条悠真に依頼されて担当しており、彼にとっては証拠も揃った簡単な案件、ただ手続きを踏むだけのものだった。
まるで鶏を屠るのに牛刀を使うようなものだ。
桜井奈緒の弁護士は傲慢な態度で、「裁判官、原告は一切の和解を拒否します。被告にはしかるべき代償を払ってもらうだけです!」と吐き捨てるように言った。
開廷前、桜井奈緒はすでに高橋美咲に最も重い処罰を受けさせるよう弁護士に指示していた。そうなれば、弁護士自身にも多くの見返りがある。
桜井奈緒のスマートフォンは今もライブ配信中だった。普通の人なら公判中の配信はできないが、桜井奈緒や九条悠真ほどの立場があれば、特別な例外もある。
ライブ配信はすでに東京でランキング1位となり、同時に何万人もの視聴者がこの傷害事件の裁判を見守っていた。
視聴しているファンたちも、次々とコメントを書き込んでいた。
「和解なんてダメ!」
「あんな悪女はちゃんと裁かれるべき。絶対に和解しないで!」
「和解なんてしたら、こういう人間が増えるだけ!」
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