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裏切った婚約者の叔父と、間違って結婚しました

Ch. 179 - 理不尽な怒り(続き)

Chapter 179

理不尽な怒り(続き)

「九条悠真は九条家のコネを使って相沢翔を助けに来させなかった。あなたでも無理だったかもしれないし、九条さんに頼るのも違うと思ったの。だって、彼も九条家の一員だし、悠真の味方をするかもしれないし……」

九条蓮は目を細めた。「九条さんが悠真の味方をすると思ったのか?」

「うん……前はそう思ってたけど、あなたが私を出してくれたってことは、九条社長が悠真さんを助けたわけじゃないって証拠よ。九条社長はやっぱりすごくいい人だと思う。」

ようやく九条蓮は、高橋美咲の考え方が分かった気がした。

彼女は自分が巻き込みたくないから蓮に助けを求めなかったし、蓮が他人の専属運転手だと思っていたから九条凛のところにも行かなかった。きっとそれも理由の一つだったのだろう。

高橋美咲はふと思いついて、不思議そうに尋ねた。「どうやって私を出したの?」

「九条社長のコネを使った。」九条蓮は表情を変えずに答えた。

結局、九条社長の肩書きを借りるしかなかった。そうしなければ説明がつかなかったのだ。

「じゃあ、拘置所のことは……」

「もう休んで。ほかのことは心配しなくていい。全部俺がなんとかするから。」

本当に自分の力を証明しないと、高橋美咲は自分をまったく頼りにならないと思い続けるだろう。

そう言うと、九条蓮はそっと毛布を首元まで引き上げてやった。

高橋美咲がまだ何か言いたげな様子だったので、九条蓮はそれを遮るように続けた。「とにかく、もう九条社長に頼んだんだから、この機会を無駄にしない方がいい。」

高橋美咲はため息をつき、沈んだ声で「分かったわ……。どうせ、あの頼りにならない相沢翔じゃ悠真さんには敵わないし。今は大阪から出られなくて、こっちに来られないみたい。」と言った。

そうでなければ、あんなに長く拘置所にいることもなかったはずだ。

九条蓮が自分のために必死になってくれたことを思い出すと、高橋美咲の目頭が熱くなり、ますます借りを作ってしまった気がした。

さっき、九条蓮が自分のそばで見守ってくれているのを見て、思わず涙が出そうになった。

高橋美咲は心から「色々とご迷惑をかけて、ごめんなさい」と言った。

感謝の気持ちでいっぱいの高橋美咲の顔を見て、九条蓮の表情も少し柔らかくなった。優しく「これから何かあったら、必ず俺に相談して。君の悩みは全部、俺が解決してあげるから」と言った。

高橋美咲の心に、ふわりと羽が触れたような感覚が広がった。九条蓮は本当に口説き上手だ。こんなセリフ、一瞬で多くの女の子の心のガードを崩してしまうし、もちろん自分も例外じゃない。

本当に頼りになる……!

でも、彼にとって自分はただの契約相手に過ぎない。

そう思った瞬間、高橋美咲の気持ちは急に沈んだ。

九条蓮は彼女の気分の変化に気づき、不思議そうに「どうした?どこかまだ具合が悪いのか?医者を呼ぼうか?」と尋ねた。

高橋美咲はすぐに我に返り、首を横に振った。「大丈夫。どこも悪くないから心配しないで。ただ、ちょっと色々考えてただけ。」

「罪状のこと?」

高橋美咲は、さっきまで考えていたことを口に出す勇気はなかった。

言葉にしたら、みんなにとって重荷になるかもしれない。何も知らないふりをして、今まで通り九条蓮と接していた方がいい。

頭の中のごちゃごちゃした思いを押し込めて、「うん。悠真さん、今回は本当に手が込んでたから、簡単にはいかない気がして……」と答えた。

あの相沢翔じゃ、悠真さんには全然敵わない。

たぶん、悠真さんがずっと自分を見張っていたから、相沢翔が弁護士を探そうとした瞬間にバレてしまったのだろう。

悠真さんが九条家のコネを使って、相沢翔の行動をことごとく妨害したことを思い出すと、高橋美咲はどうしようもない無力感に襲われた。