Chapter 146
もちろん、やられたらやり返す
桜井奈緒は自分のことを暴露し、記者を差し向けてきた。なら、同じことをやり返して何が悪い?
今日九条インターナショナルから帰ってきた後、高橋美咲は桜井奈緒と九条悠真の婚約パーティーについてのニュースを調べたが、ネット上には一つも記事がなかった。
もしかしたら誰かが金を払って揉み消したのかもしれない。
それができるのは九条悠真くらいだろう。
あんな動画を見せられても、九条悠真はまだ桜井奈緒を諦めていないとは思わなかった。桜井奈緒には一体どんな魔力があるのか、そこまで夢中にさせるなんて。
でも、それはもう自分には関係ない。二人がラブラブなら、こちらから何かするつもりはなかった。でも桜井奈緒がわざわざ喧嘩を売りに来た以上、簡単には許さない!
九条蓮は「じゃあ、明日のショーを楽しみにしてる」と言った。
「あ、そうだ。」何かを思い出したように、高橋美咲は慌てて言った。「危うく忘れるところだった。九条凛に連絡して、記者を手配してもらわないと。」
「手伝おうか?」と九条蓮が真剣に尋ねた。
「いいえ。あなたには無理よ。まさか記者の知り合いでもいるの?余計なことしないで。九条凛に頼むから。」
そう言いながら、高橋美咲はスマホを手に取り、端の方へ歩いて電話をかけに行った。
九条蓮は高橋美咲の後ろ姿を見つめ、目を少しだけ細めた。
どうやら今日の水城圭介の演技はなかなかだったらしい。高橋美咲は本当に彼を九条社長だと信じていた。
…
翌朝早く、九条インターナショナルの前にはすでに記者会見の会場が設営され、何人もの記者が椅子に座って周囲を興奮気味に見回していた。
昨夜、九条家の長女・九条凛から連絡があり、今日九条インターナショナルで記者会見があると招待されたのだ。
おそらく九条社長の最近の結婚についてだろう。
ついに公に認めるのか?
九条家の奥様の座は、数えきれないほど多くの女性たちの憧れだ。いったいどんな女性が九条蓮を射止めたのか、皆知りたくてたまらない。
そう思いながら、多くの記者が念入りにビデオカメラや録音機器を再確認し、後で独占ニュースを取り逃がさないようにしていた。
会場の隅では、九条悠真が冷たい表情で座っていた。
ここ数日、桜井奈緒との婚約披露宴の後始末に追われ、事態を収めるのにかなりの金がかかった。
ニュース自体は意外と簡単に処理できたが、本当に厄介なのはビジネス界や上流社会の人々だった。
そういう相手は、金を積めばごまかせるような連中ではない。
桜井奈緒の動画が偽物だとしても、彼らはそうは見てくれない。
そんな時に、九条インターナショナルで記者会見が開かれるという情報が舞い込んできた。
きっと本物の叔父が高橋美咲のやらかしたことを知って、公表するつもりなのだろう。
そうなれば、自分の婚約パーティーで起きたことも注目が逸れるはずだ。
そう考えると、九条悠真はますます満足げな気分になった。
皮肉な笑みを浮かべながら、会場の椅子に座って記者会見の始まりを待っていた。
病院にて。
桜井奈緒は、報道陣が全員到着したのを確認すると、顔に興奮の色を浮かべた。
彼女は自分の指示に常に従う記者を一人、現場に紛れ込ませていた。その記者が今、現場の様子をライブ配信している。
ライブ配信のコメントが次々と流れていくのを見て、桜井奈緒の口元がゆっくりとほころび、上機嫌になった。
月島瑠奈と望月麗奈は、この件をうまく処理してくれた。
もう少ししたら、九条蓮が動いて高橋美咲との関係を公表するだろう。その時こそ、高橋美咲は完全に終わる!
九条インターナショナルの記者会見会場。
記者会見はまだ正式に始まっておらず、現場の記者たちは集まって小声でささやき合っていた。
「ねえ……九条社長が電撃結婚したって噂、本当なの?」
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