Chapter 145
どうやって反撃するの?
二人はじっとタイミングを待ち、ついに退勤時間がやってきた。
九条インターナショナルのビルには人の出入りがどんどん増え、出入口も混雑してきた。その隙をついて、二人は人混みに紛れて中へ滑り込んだ。
二人は人目を避けながら慎重にエレベーターに乗り込んだ。
エレベーターがどんどん上がっていくにつれ、もうすぐあのハンサムで非凡な九条社長に会えると思うと、二人とも胸が高鳴った。
「チン」と音がして、エレベーターの扉が開いた。
二人は左右を警戒しながらそっと覗いたが、最上階は驚くほど静かで、人影ひとつなかった。真壁直人も他の秘書たちも見当たらない。
どういうこと?
もうみんな退勤したのか?
二人がエレベーターを降りて中へ進もうとしたその時、突然、四方から大柄な警備員たちが現れ、二人を完全に取り囲んだ!
「動くな!」
真壁直人が奥から現れ、無表情で言った。「よくも会長室に盗みに来たな。すぐに警察に連れて行け!」
月島瑠奈と望月麗奈は弁解しようとしたが、誰かに口を塞がれてしまった。
二人は警備員に連れられて下の階へ降ろされた。
その騒ぎはすぐに多くの人の注目を集めた。ちょうど退勤時間で、九条インターナショナルの出入口は人の流れが絶えなかったからだ。
二人の女の周りには人だかりができ、指をさして噂する声が飛び交った。
やがて警備員から事情を聞いた人たちが、何が起きたのか知ることとなった。
「この二人、確か企画部の人だよね?望月麗奈と月島瑠奈?」
「なんで急にクビになったのかと思ったら、まさか盗みが原因だったとは。」
「ああ、やっぱりあの二人か。私のリップもいつの間にかなくなってたし。」
「私もブレスレットなくしたわ。」
「会社も一度は見逃したんじゃない?それなのにまた九条インターナショナルに忍び込んで盗みなんて、度胸あるわね!」
「この二人、桜井奈緒の婚約パーティーにも来てたよね。あちこちうろうろしてたけど、まさかあの時も盗みを?」
月島瑠奈と望月麗奈はそれを聞いて必死に否定しようとした。
盗みなんてしていない!
だが誰かにしっかり口を塞がれているので、「んーんー」としか声が出せず、目を見開いて必死に訴えるしかなかった。
二人はそのまま連行され、すぐに拘束されて携帯電話も没収された。
高橋美咲の指示で、真壁直人は二人の携帯を使い、桜井奈緒にメッセージを送った。
メッセージには「計画はすでに成功。九条社長が明日九条インターナショナルで未婚を発表する記者会見を開く」と書かれていた。
月島瑠奈と藤森美玲を痛めつけ、泥棒の烙印を押して連れ去らせたのは、高橋美咲の計画の第一段階だった。
だが、本当の標的はその二人ではない。その背後にいる桜井奈緒こそが狙いだった。二人はあくまで駒に過ぎない。どうせやるなら、黒幕を叩くべきだ。
桜井奈緒がまだ懲りずにちょっかいを出してくるなら、高橋美咲もきっちり痛い目を見せてやるつもりだった。
計画の第二段階は、桜井奈緒に記者たちに囲まれて質問攻めにされる気分を味わわせること。彼女が必死に隠そうとしていることも、きっと公になりたくないはずだ。
その夜、マンションにて。
夕食後、高橋美咲は九条蓮のことについて尋ねた。九条蓮を見つめて、「九条社長は、私たちのことをいつ知ったの?」と聞いた。
九条蓮の表情は変わらない。「今日だ。」
高橋美咲は心の中で思った。九条蓮はすでに先に自分の非を認めていたのか。だから自分が九条家に行った時、九条社長は怒らなかったのだろう。
きっと九条蓮の顔を立てて、あまり大事にしなかったのだ。
「藤森美玲と月島瑠奈のこと、どうするつもりだ?」と九条蓮が逆に尋ねた。
高橋美咲は正直に答えた。「もちろん、やられたらやり返すだけよ!」
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